北朝鮮、コロナ感染者発生の可能性で非常事態宣言 開城市を封鎖
ロイター / 2020年7月27日 7時18分
7月26日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、新型コロナウイルスへの感染が疑われる脱北者が北朝鮮に戻ったとし、南北境界線付近の開城(ケソン)市を封鎖、非常事態を宣言したと、北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が伝えた。写真は金正恩朝鮮労働党委員長。KCNAが25日配信(2020年 ロイター)
[ソウル 26日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、新型コロナウイルスへの感染が疑われる脱北者が北朝鮮に戻ったとし、南北境界線付近の開城(ケソン)市を封鎖、非常事態を宣言した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が26日、伝えた。
確認されれば、北朝鮮が公式に認める初の新型コロナ感染者となる。
KCNAによると、金委員長は「悪性ウイルスが国内に流入したとみられる危険な状況」を受け、労働党政治局非常拡大会議を緊急招集した。
感染が疑われるのは3年前に脱北した人物で、今月19日、違法に軍事境界線を越えて北朝鮮側に戻ったという。
KCNAは「上気道の分泌物や血液の複数回にわたる検査」の結果、感染が疑われるとして当局が本人の隔離と濃厚接触者の追跡を行ったとしている。
アナリストは、この発表について、北朝鮮が初めて感染者発生の可能性を認めているだけでなく、支援を求めていることを示しているため、重要だと指摘している。
韓国の慶煕大学の朱宰佑(チュ・ジェウ)教授は「北朝鮮はおそらく、世界に人道支援を求めている」と述べた。
また、韓国統一研究院のシニアフェロー、チョウ・ハンブン氏は「韓国から持ち込まれたケースだと非難し、韓国からの支援を公に受け入れる手段としてこの問題を利用する可能性がある」との見方を示した。
KCNAは、感染が疑われる脱北者がどのようにして軍事境界線を越えたかには言及しなかったが、調査中だとし、責任を負うべき軍部隊は「厳重な処罰」に直面するとした。
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