1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

EBRD支援地域、戦争と異常気象が経済成長を圧迫

ロイター / 2024年9月27日 14時19分

 9月26日、欧州復興開発銀行(EBRD)は半期報告書で、支援対象地域の欧州新興国、中央アジア、中東、アフリカは戦争と異常気象によって経済成長が圧迫されていると分析した。洪水に見舞われたポーランドの町、15日撮影(2024年 ロイター/Agencja Wyborcza.pl/Jakub Wlodek via REUTERS)

Libby George

[ロンドン 26日 ロイター] - 欧州復興開発銀行(EBRD)は26日公表した半期報告書で、支援対象地域の欧州新興国、中央アジア、中東、アフリカは戦争と異常気象によって経済成長が圧迫されていると分析した。

支援対象地域の域内総生産は今年が前年比2.8%増、来年は3.5%増えると予想した。従来見通しと比べて今年は0.2%ポイント、来年は0.1%ポイントそれぞれ下方修正した。

EBRDのチーフエコノミスト、ベアタ・ヤボルチク氏はロイターの取材に「欧州全体の都市を訪問したところ、ムードが大きく悪化していることが分かった」と語り、欧州は紛争の拡大と高いエネルギー費用に対応していると指摘。「欧州はある意味で危機に瀕していると感じ取れる」と述べた。

報告書によると、エネルギー価格は2022年のロシアによるウクライナ侵攻後の急騰を経て落ち着いてきたとはいえ、欧州のガス価格は米国の約5倍に達する。

カザフスタンとウズベキスタンでの鉱業生産の低迷や、パレスチナ自治区ガザとレバノンでの紛争、モロッコとチュニジアでの深刻な干ばつも経済成長を押し下げていると指摘した。

ヤボルチク氏は、中国の景気刺激策がEBRDの支援対象地域のコモディティー輸出国に追い風となる可能性があり、貿易障壁が中国からハンガリー、セルビア、モロッコへの多額の外国直接投資(FDI)に結び付いたと説明。世界的な通商政策により中国からの輸入に対する規制が強まれば、こうしたFDIは一段と増える可能性があると付け加えた。

だがヤボルチク氏は、イスラエルがレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラを攻撃する中、中東での危機拡大がレバノンの政治・経済的危機を深めるとともに、ヨルダンやエジプトといった近隣諸国にも悪影響が及んでいると指摘。「中東での紛争地域に隣接する諸国はリスクプレミアムが上昇する公算が非常に大きく、借り入れコストが増大するだろう」との見解を示した。

EBRDはウクライナの来年の経済成長率見通しを4.7%とし、従来見通しより1.3%ポイント引き下げた。エネルギーインフラへの攻撃の悪影響を受けるとしており、インフレを加速させる可能性もあるという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください