弱い経済指標続くユーロ圏、ECB10月利下げを後押し
ロイター / 2024年9月27日 19時50分
ユーロ圏で27日発表された経済指標は、フランスとスペインのインフレ率が予想以上に低下し、ドイツで失業者が予想以上に増加した。物価圧力の緩和や雇用悪化を示唆する指標は、欧州中央銀行(ECB)の10月利下げ観測を一層高めている。ECB本部、7月撮影。(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch/File photo)
[フランクフルト 27日 ロイター] - ユーロ圏で27日発表された経済指標は、フランスとスペインのインフレ率が予想以上に低下し、ドイツで失業者が予想以上に増加した。今週はすでに購買担当者景気指数(PMI)など弱いデータが相次いでいる。物価圧力の緩和や雇用悪化を示唆する指標は、欧州中央銀行(ECB)の10月利下げ観測を一層高めている。
フランス国立統計経済研究所(INSEE)が27日発表した9月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準で前年比1.5%上昇。8月の2.2%上昇から鈍化し、ロイターがまとめた市場予想の2.0%上昇を下回った。スペインの9月のCPI(EU基準)も前年比上昇率が1.7%と8月の2.4%から低下した。
ドイツ連邦雇用庁が発表した9月の失業者数は予想を上回る前月比1万7000人増加だった。
ECBは6月と9月に利下げしたが、それまでは賃金上昇率やサービスインフレが不快なほど高いことを理由に利下げ論に抵抗してきた。しかしECBが27日公表した調査によると、消費者のインフレ期待は1年先が3年ぶりの低水準だった。
実際、市場でも10月の追加利下げの織り込みが進む。10月の利下げ確率は先週は約25%だったが、27日は75%程度まで上がっている。
こうした中、ECB理事会内でハト派とタカ派のせめぎ合いが起きているようだ。関係者によると、ハト派は足元で弱い指標が相次いだことを受け、10月理事会で利下げを主張する構え。かねて利下げは四半期ごとが適切との認識を示しているタカ派の反対で紛糾しそうだという。
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