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三菱自、今期3600億円の最終赤字に 岐阜工場閉鎖と欧州向け開発凍結

ロイター / 2020年7月27日 19時36分

 7月27日、三菱自動車は、2020年度(今年度)から3カ年の中期経営計画を発表した。写真は都内で昨年10月撮影(2020年 ロイター/Soe Zeya Tun)

[東京 27日 ロイター] - 三菱自動車<7211.T>は27日、2021年3月期の連結最終損益が3600億円の赤字(前期は257億円の赤字)となる見通しを発表した。従来予想は未定だった。新型コロナウイルス感染者の世界的な増加に歯止めがかからず終息の時期が見通せない中、国内外での販売不振や構造改革に伴う減損損失計上が響く。生産子会社パジェロ製造(岐阜県坂祝町)の21年上期の工場閉鎖と欧州向け新車開発凍結も発表した。

同日発表した20年4―6月期の連結決算では、最終損益が1761億円の赤字(前年同期は93億円の黒字)と同じ期の過去最低(16年の1297億円の赤字)を更新した。

会社予想の今期最終赤字額はリコール(無償回収・修理)問題で業績悪化に陥った05年3月期の4747億円に次ぐ水準となる可能性がある。

今期の売上高は前期比35%減の1兆4800億円、営業損益は1400億円の赤字(前期は127億円の黒字)、世界販売は25%減の84万5000台をそれぞれ見込む。4―6月期の販売実績は前年同期比53%減の13万9000台だった。最終損益は構造改革費用など特別損失2200億円が圧迫する。未定としていた年間配当も無配(前期は10円)とする。

加藤隆雄最高経営責任者(CEO)は電話会見で、コロナ禍の事業環境について「深刻度合いはリーマン・ショック時より大きい。より大きな危機だ」と指摘、「構造改革をしっかりとやり遂げる」と述べた。池谷浩司最高財務責任者(CFO)は徹底した固定費削減などで「21年度に(営業)黒字化を達成したい」と述べた。今期業績予想は新車需要が上期に落ち込み、下期以降は徐々に回復すると仮定して算出。池谷氏によると、「コロナが1年で収束している」との前提にしたという。

<22年度に営業利益500億円目標>

同社は20年度から3カ年の中期経営計画も同時に発表した。最終年度となる22年度の営業利益は500億円、世界販売は105万4000台を目指し、設備投資は前年度とほぼ同水準の1000億円、研究開発費は前年度比で約24%減の990億円を計画する。研究開発では、欧州向けの新車開発を取り止め、三菱自が強みとするアセアン(東南アジア諸国連合)向けに集中、費用削減と効率的な体制を構築する。

加藤CEOは、パジェロ製造で生産している輸出用のスポーツ多目的車(SUV)「パジェロ」は生産を終了、ミニバン「デリカD:5」とSUV「アウトランダー」の生産は岡崎製作所(愛知県岡崎市)へ移管すると説明。従業員は配置転換する。今回の生産停止により、国内工場の稼働率は19年度の76%から22年度に83%へ高まる見込み。

欧州向け新車開発の凍結に関して、加藤CEOは「(欧州から)『撤退』という認識ではない。現行車種の販売は継続していく」と強調した。谷田部陽一郎共同最高執行責任者(CO—COO)によると、現行車種が環境規制の法規に適応しなくなる段階で販売を終了するが、長年のユーザーには部品供給を続ける。

*内容を追加しました。

(白木真紀 編集:内田慎一)

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