米石油ガス輸出、ハリケーンで大きな影響 施設再開へ被害調査
ロイター / 2020年8月28日 13時10分
8月27日、米メキシコ湾の油田地帯を襲ったハリケーン「ローラ」がルイジアナ州に上陸し、内陸に進んだのを受け、米国の石油・ガス輸出に大きな影響が出ている。米テキサス州の油田で2019年11月撮影(2020年 ロイター/Angus Mordant)
[ヒューストン/ニューヨーク/シンガポール 28日 ロイター] - 米メキシコ湾の油田地帯を襲ったハリケーン「ローラ」がルイジアナ州に上陸し、内陸に進んだのを受け、米国の石油・ガス輸出に大きな影響が出ている。港湾の閉鎖などで原油輸出は今週、日量100万バレル近く減少する可能性が高い。
液化天然ガス(LNG)施設も複数が操業を一時停止しており、リフィニティブのデータによると、出荷量は1年半ぶり低水準の日量21億立方フィートに落ち込む見通しだ。
ローラは27日未明にルイジアナ州に上陸、複数の建物が倒壊し、ルイジアナとテキサス州で65万人以上が停電に見舞われる被害が出た。ただ、被害は当初の予想よりはるかに小さく、製油所は大規模な浸水を免れた。ローラは27日午後になって熱帯低気圧に変わった。
米沿岸警備隊によると、ルイジアナ州レークチャールズ、テキサス州のボーモント、ポートアーサーの各港は27日時点で閉鎖が続いている。
日量約60万バレルを出荷する米原油輸出ハブのヒューストン港は26日に閉鎖したが、27日遅くに再開する見通し。
データ会社Kplerが過去4カ月間の平均を基に試算したところによると、ヒューストン、ボーモント、ポートアーサー各港の閉鎖により、原油の海上輸出能力は日量100万バレル近く押し下げられる。
米エネルギー情報局(EIA)の統計では、過去4週間の米原油輸出は平均で日量約290万バレルだった。
Kplerは、上記3港の閉鎖で石油精製品の輸出も日量約83万バレル押し下げられると試算する。
このほか、米最大の民間原油輸出ターミナル、ルイジアナ・オフショア・オイル・ポート(LOOP)も、ハリケーン接近に備えて23日に洋上ターミナルの操業を停止している。
リフィニティブ・アイコンの海運データによると、27日にテキサス州コーパスクリスティに避難していた石油タンカーは28日、メキシコ湾岸の主要積出港に向けて航行している。
Kplerによると、LNGタンカー2隻は現在、船積みのため、港付近に停泊中。他の複数のタンカーは、今もカリブ海地域に位置している。
輸出にどの程度の混乱が生じるかは、生産・輸出施設への被害状況にかかっている。エネルギー各社は沖合の石油生産施設などへの被害状況を調査している。
メキシコ湾沖の300以上の石油生産施設や掘削リグでは先週、従業員が避難しており、運営会社は空からの被害状況調査を予定している。
米内務省によると、メキシコ湾の石油生産の約84%に相当する日量156万バレル相当の生産と天然ガス生産の60%が停止されたままだ。
シェブロン
米石油協会(API)の緊急対応担当者、スザンヌ・ルミュー氏は「われわれが把握してる限り、オフショア(生産施設)への影響はない」と述べた。
操業を停止した製油所は、被害がほとんどない場合でも、再開に数日を要する可能性があり、周辺地域の停電や従業者の避難が再開をさらに遅らせる恐れがある。
エクソンモービル
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