金融政策は制限的に、英・豪・スペイン中銀が必要性強調
ロイター / 2023年11月28日 14時10分
11月28日、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のラムスデン副総裁は、国内インフレ率を中銀目標の2%に戻すためには金融政策を長期間「制限的」にする必要があるとの見方を示した。写真はイングランド銀行。ロンドンで昨年8月撮影(2023年 ロイター/Maja Smiejkowska)
[香港 28日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のラムスデン副総裁は28日、国内インフレ率を中銀目標の2%に戻すためには金融政策を長期間「制限的」にする必要があるとの見方を示した。香港金融管理局(HKMA)と国際決済銀行が香港で開催した会議で述べた。
オーストラリア、スペインの政策当局者も自国の政策について同様の見解を示した。
ラムスデン氏は、金融安定性に関して現在5.25%の金利を引き下げる根拠はないとも述べた。
英中銀は今月、2会合連続で政策金利を据え置いた。それまではインフレ抑制に向け14回連続で利上げを実施してきた。
ラムスデン氏はそうした利上げにもかかわらず、インフレ率は2025年末まで2%に戻らない見込みだと指摘した。
英中銀のベイリー総裁は21日、国内インフレ率が高止まりするリスクはあるが、中銀目標の2%に戻る兆しもあると指摘した。
市場は現在、2024年6月までに中銀が利下げを開始すると予想。11月2日の中銀の政策発表前に予想されていた時期から前倒しされている。
オーストラリア準備銀行(中銀、RBA)のブロック総裁は同じ会議で、豪州の政策も制限的だとし、需要を冷ましインフレ期待を抑制するためにその必要があると述べた。
ブロック氏は、国内企業が利益率維持に向けコスト上昇分を顧客に転嫁できると感じており、これがサービス部門のインフレを招いていると指摘した。
豪中銀は今月、政策金利を12年ぶり高水準となる4.35%に引き上げた。金融市場は今後数カ月に追加利上げを予想している。
スペイン中央銀行のデコス総裁も同調し、政策は短期的に引き締まった状態であるべきだとした。ただ、予想通りにインフレが鈍化すれば、緩和の可能性もあることに言及した。
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーでもあるデコス氏は、ここ数カ月でインフレが鈍化したことに勇気づけられているとし、この状況が続けば実質金利はますます制限的になるだろうと述べた。
ECBは今年に入り、政策金利を過去最高の4%に引き上げたが、今後数四半期にわたり据え置くことを示唆している。市場は利下げ開始を視野に入れており、早ければ来年4月か6月に実施されると予想している。
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