完全失業率、4月は2.8%に悪化 コロナの影響が継続
ロイター / 2021年5月28日 10時38分
[東京 28日 ロイター] - 総務省が28日発表した4月の完全失業率は2.8%となり、前月(2.6%)から上昇した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で経済活動が抑制される中、雇用への下押し圧力が見られた。ロイターの事前調査での予測は2.7%だった。
完全失業者数(季節調整値)は194万人で前月比14万人増加。内訳では、「非自発的な離職」が7万人、「自発的な離職」は6万人それぞれ増えた。
4月の就業者数(原数値)は6657万人と前年同月に比べ29万人増え、13カ月ぶりに増加したが、コロナ前の2019年同月から51万人減少した。
総務省の担当者は、去年4月は1回目の緊急事態宣言が全国に発令されていたため前年同月比でみると増加したが、雇用は「コロナ前と比べると依然として影響が出ている」と語った。
政府は、5月31日を期限としている東京都など9都道府県への緊急事態宣言について、6月20日までの延長する方向。今後、雇用への更なる影響が懸念される。[nT9N2N604F ]
日本総研の下田裕介主任研究員は、「宿泊、飲食などのサービス業は厳しい状況が続いている。雇用を維持しようという政府の政策はでているが、限界だという声もある。雇用への心配は高まっている」とした。
<有効求人倍率は前月から低下>
同日、厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍で、前月から0.01ポイント低下した。ロイターの事前予測では、1.10倍だった。
有効求人倍率は仕事を探している求職者1人当たり、企業から何件の求人があるかを示す。
企業側の求人状況を示す有効求人数(季節調整値)は前月に比べて1.4%増加し、有効求職者数(同)は前月に比べて2.6%増となった。求職者の伸びが求人を上回り、倍率が低下した。
厚労省の担当者は「緊急事態宣言などの影響で社会経済活動の低迷もあり、雇用への影響が懸念される」と話した。
4月の新規求人数(原数値)は、前年同月比15.2%増え、2019年12月以来の上昇となった。コロナの影響で最初に緊急事態宣言が発令された去年4月との比較で伸び率が大きくなった。
産業別では、教育、学習支援業が同43.6%、製造業が同32.8%、それぞれ増加した。
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