サムスン電子、第2四半期は23%営業増益 半導体販売が堅調
ロイター / 2020年7月30日 18時23分
[ソウル 30日 ロイター] - 韓国のサムスン電子<005930.KS>が発表した第2・四半期決算は、営業利益が前年同期比23%増加した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた在宅勤務の増加に伴い、データセンター向け半導体の販売が堅調だったことが寄与した。
同社は、モバイル端末や家電製品の需要が今年下半期に徐々に回復するとの見通しを示した。ただ、新型コロナの流行や他社との競争激化が引き続きリスクだと指摘した。
営業利益は8兆1000億ウォン(68億1000万ドル)と、同社が今月上旬に示した自社予想と一致し、前年同期の6兆6000億ウォンから増加した。在宅勤務やオンライン学習の増加に伴い、データセンター向け半導体の需要が拡大、半導体メモリーの1つでデータの一時記憶に使うDRAMの価格が13%上昇した。
売上高は6%減の53兆ウォン、純利益は前年比7%増の5兆6000億ウォンだった。
サムスンは、ディスプレー事業で計上した特別利益が全体の利益を押し上げたと説明したが、詳細は明らかにしなかった。同社のディスプレー事業の顧客には米アップル
アナリストはDRAM需要の見通しについて、サムスンのデーターセンター顧客は以前より在庫が積み上がっているため、下半期はDRAMの購入を減らす見通しだと指摘。価格上昇は続かないとの見方を示している。
スマートフォン事業では、旗艦機種「ギャラクシー」の最新モデルや折り畳みスマホを年内に発表する予定だ。
<スマートフォンの需要が下期の利益押し上げへ>
第2・四半期の半導体部門の営業利益は60%増の5兆4300億ウォン。同社の営業利益全体の3分の2を占めた。
同社はサーバー用の半導体需要が年内も引き続き堅調に推移すると予想。スマートフォンについても、新モデルの投入や第5世代(5G)対応端末の需要で販売が押し上げられるとの見方を示した。
ただ、同社のメモリー部門幹部は「新型コロナ、貿易摩擦といった多くの不透明要因に加え、顧客が在庫・投資戦略を変える可能性もあり、(DRAM)価格がいつ転換点を迎えるのかは予想は難しい」と述べた。
モバイル部門の営業利益は25%増の1兆9500億ウォン。
市場調査会社カナリスによると、第2・四半期の携帯電話の出荷台数は、中国の華為技術(ファーウェイ)がサムスンを抜き、世界首位となった。ただ、ファーウェイは新型コロナの感染ペースが鈍化した中国国内で販売を伸ばしており、海外の需要が回復すれば、サムスンが巻き返す可能性が高いとみられている。[nL3N2F114O]
サムスンは、ディスプレー事業が年内に回復するとの見通しも表明。ロックダウン(都市封鎖)緩和後の年末商戦に向けた新製品の投入が寄与する見通しという。同社はスマートフォン、テレビ、モニター向けのディスプレーを製造している。
*内容を追加しました。
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