米ロ首脳が電話会談、ウクライナ巡る緊張で「関係崩壊」も
ロイター / 2021年12月31日 13時7分
バイデン米大統領(写真)とロシアのプーチン大統領は30日、電話会談を行い、約50分間にわたり協議した。12月30日、デラウェア州ウィルミントンのバイデン大統領の自宅で撮影(2021年 ロイター/Adam Schultz/White House/Handout via REUTERS)
[ウィルミントン(米デラウェア州)/モスクワ 30日 ロイター] - バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は30日、電話会談を行い、約50分間にわたり協議した。ウクライナ情勢を巡る緊張が高まれば、米ロ関係の決裂につながる可能性があると互いに警告した。一方で、外交的関与を引き続き進める姿勢も示し、1月の協議で緊張緩和の道が開けるとの期待も示した。
両首脳の電話会談は今月に入り2回目。今回はプーチン大統領の要請で行われた。
ホワイトハウスのサキ報道官は声明で「バイデン大統領はロシアに対し、ウクライナとの緊張をエスカレートさせないよう要請した」とし、「ロシアがさらにウクライナに侵攻すれば、米国と同盟国およびパートナー国は断固として対応する考えを明確にした」と明らかにした。
米政権高官によると、バイデン大統領は、外交と抑止、深刻な代償と結果を含む2つの道筋を示した。高官は、両首脳は両国間に意義ある進展が図れる分野と折り合えない分野があることを認めたとし、今後の協議でそれらを掘り下げていくことになると述べた。
ロシアのウシャコフ大統領補佐官によると、バイデン大統領はプーチン大統領に対し、ウクライナ国境周辺での状況をエスカレートさせれば、西側諸国はロシアに対し大規模な制裁を課すという考えを改めて伝えた。
これに対しプーチン大統領は、ロシアに新たな制裁を科せば米ロ関係の崩壊につながる恐れがあり、大きな間違いという認識を示した。
ウシャコフ氏は「(プーチン)大統領は西側諸国がそのような前例のない制裁を決定すれば両国関係の完全な崩壊につながり、ロシアと西側の関係に最も深刻な打撃をもたらす可能性があると応じた」と述べた。
ただ、ウシャコフ氏はロシア側が会談に満足しているとも明らかにした。会談ではロシアが西側諸国に求めている安全保障に関する保証を中心に協議が行われたという。
同補佐官は、ロシア側がそうした保証を必要としていることにバイデン大統領は同意している様子で、交渉に真剣なようだと述べた。
ロシアは1月10日にジュネーブで行われる米国との安全保障協議でこの保証について話し合う予定。12日にはブリュッセルで北大西洋条約機構(NATO)との協議が、翌13日にはウィーンで欧州安全保障協力機構(OSCE)の枠組みの下で会合が予定されている。
ウシャコフ氏は30日の電話会談について、1月の協議に向けて良い雰囲気を醸成したとの見方を示した。
この記事に関連するニュース
-
中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月18日 15時57分
-
イエレン米財務長官が訪中。日本を取り巻く「最大マクロ」の行方
トウシル / 2024年4月11日 7時30分
-
中ロ、ユーラシアの安保協力深化を協議へ NATOけん制
ロイター / 2024年4月9日 21時45分
-
ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクライナの次」に侵略すると脅される
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月9日 17時41分
-
米中首脳が電話会談、台湾・ウクライナ情勢や貿易慣行巡り協議
ロイター / 2024年4月3日 8時10分
ランキング
-
1米軍がニジェールから撤収へ アフリカの過激派監視拠点 ロシアは軍事顧問派遣、強まる影響力
産経ニュース / 2024年4月25日 17時18分
-
2中国の産業スパイ活動に警戒すべき、独情報機関が国内企業に警告
ロイター / 2024年4月25日 1時5分
-
3[深層NEWS]北朝鮮の弾道ミサイルは「韓国の軍事基地が目標」…小原凡司氏
読売新聞 / 2024年4月25日 0時8分
-
4北朝鮮、岸田首相の真榊奉納を非難
時事通信 / 2024年4月25日 12時9分
-
5ロシア情報機関、国防次官を拘束…業務関連契約で不正な利益を得ようとした疑い
読売新聞 / 2024年4月25日 13時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください