魚油サプリメント、ドライアイ改善に効果なしか 米研究

AFPBB News / 2018年4月17日 10時57分

人の目(2007年4月25日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

【AFP=時事】魚油サプリメントは長年、世界に数百万人いるとされるドライアイ患者に推奨されてきたが、その効果に疑問を投げかける論文がこのほど、発表された。

 米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された論文によると、535人を対象とした無作為化比較試験を行った結果、ドライアイの症状軽減において、オメガ3サプリメントにプラセボ(偽薬)以上の効果を確認できなかったという。

 ドライアイは、ヒリヒリ感やかゆみ、刺痛、視覚障害などを引き起こす。米国だけでも1600万人以上の患者がいる。論文によると、米国ではドライアイによる生産性の低下や治療費などで、年間約550億ドル(約5兆9000億円)の損失が出ていると専門家らは推定している。

 研究に参加した患者は全員、軽度から重度のドライアイに少なくとも6か月にわたり悩まされていた。被験者らには、形状が同じカプセルに入ったオメガ3サプリメントまたはオリーブオイルのプラセボのいずれかを渡し、それらを毎日摂取してもらった。無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験として行われたため、本人も眼科医も摂取しているカプセルの内容については知らされていなかった。

 論文によると、試験開始から1年後、両方のグループで症状の改善がしっかりとみられた。オメガ3のグループでは全体の61%が、コントロールグループでは同54%が、少なくとも10ポイントの改善を達成した。両グループの差は統計学的に有意ではないとしている。

 論文の共同執筆者である米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)ペレルマン医学大学院(Perelman School of Medicine)のバティニー・ブンヤ(Vatinee Bunya)助教(眼科学)は、「われわれは、オメガ3サプリメントに有益な効果がないことに驚いた。この結果は大きな意味を持っており、多くの眼科医や検眼医の考え方を変えるものとなるかもしれない」と指摘した。


■さらなる研究の必要性

 米ニューヨークの医療機関ノースウェル・ヘルス(Northwell Health)の眼科医であるマシュー・ゴースキ(Matthew Gorski)氏は、ドライアイや魚油サプリメントの有効性に関心を持つ医師たちは、「魚油サプリメントに生活の質を改善する潜在的な可能性があることに期待しながら、臨床試験の結果が出るのを待ち望んでいた」と話す。そして、「この結果を確かめるために、さらなる研究が行われるべきだ」と続けた。今回の研究に同氏は参加していない。

 米ニューヨーク・レノックス・ヒル病院(Lenox Hill Hospital)の眼科医であるジュールズ・ウィノカー(Jules Winokur)氏も今回の研究を「重要」と位置づけ、両グループでほぼ同様に改善した理由を解明するためにさらなる作業が必要だと同意する。

 ウィノカー氏は、「ドライアイは、日常生活のなんらかの折にほぼすべての人々が経験する一般的な症状だ」としながら、軽度の不快感から日常生活を阻害するほどの慢性的な消耗性の痛みまで、その症状はさまざまであることを説明。「多くの場合、自然に解消したり、市販薬の人口涙液によって迅速に改善したりするが、なかには治療法が単純でなかったり、この病気によって生活に悪影響が出たりする人々も少なくない」と述べている。
【翻訳編集】AFPBB News

AFPBB News

トピックスRSS

ランキング