イランのミサイル攻撃「生き延びたのは奇跡」 駐イラク米軍司令官インタビュー

AFPBB News / 2020年1月14日 14時29分

イランのミサイル攻撃を受けた、米軍など外国部隊が駐留していたイラク西部のアサド空軍基地。米主導の有志連合軍が主催したプレスツアーで(2020年1月13日撮影)。(c)Ayman HENNA / AFP

【AFP=時事】(写真追加)押し寄せる弾道ミサイル、何時間も塹壕(ざんごう)の中に身を潜める兵士たち、強烈な衝撃波──イラクの駐留米軍基地に対してイランが行った前代未聞のミサイル攻撃について、ある米司令官は「耳を疑った」と語った。


 イラク西部のアサド(Al-Asad)空軍基地でAFPの独占インタビューに応じたティム・ガーランド(Tim Garland)中佐は、イランが同基地を攻撃した数時間前の7日夜、上官らから「事前警告」を受けていたと明かした。


「最初はショックを受けた。耳を疑った」。アサド基地にそんな大胆な攻撃をする能力も、意思も、イランにあるとは思えなかったとガーランド中佐は言う。イラク最大級の空軍基地であるアサド基地には米軍兵士1500人、イラク軍兵士数千人が駐留している。


 イラクでは今月3日、首都バグダッドの国際空港でイラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官が米軍の無人機攻撃に遭い、死亡した。アサド基地は、これに対するイランの報復攻撃の対象として狙われた。


 7日午後11時(日本時間8日午前5時)までに米軍と有志連合軍の兵士らは宿舎や配置場所から避難し、塹壕の中に身を隠すか、基地内の各所へ散って待機した。そして緊張したまま待機する時間が2時間ほど続いた。


「攻撃の第1弾が始まったときの音は、これまで聞いたことのある中で最も大きく、激しい音だった」とガーランド中佐はAFPに述べた。


■衝撃波でたわむドア


「空気が何か、異常だった。空気の流れ方、温度の上がり方がおかしかった。衝撃波がやって来てドアが折れ曲がり、前後に大きくたわんだ」


 午前1時35分に開始された攻撃はそれから3時間続き、さまざまな間隔で約5回の弾丸ミサイルによる一斉攻撃が基地に向けて行われた。イラクへの駐留経験が複数あるガーランド中佐だが、「あれほど長時間恐怖を感じたことは久しくなかった」と語った。


 攻撃が鎮まったのは午前4時ごろ。塹壕から出てきた司令官や兵士たちが目にしたのは、基地の至るところで上がっている火の手だった。被害は基地内の10か所以上に及んだが、奇跡的に死者はいなかった。


 監視塔にいて吹き飛ばされた兵士2人も、脳振とうを起こしただけで済んだという。


「彼らが生き延びたのは神の奇跡だ」とガーランド中佐は言う。ただ、ミサイル攻撃は兵士らに爆撃は終わったと思わせる間隔を置いて複数回あったという。「もう大丈夫だと思うくらい、だいぶ時間がたっていた。私見だが、死者を発生させようという意図だったのではないか」


 攻撃の激しさを考えれば、自分たちは運が良かったとガーランド中佐は語った。「戦域弾道ミサイルによる攻撃だ。前例のない攻撃だった」

【翻訳編集】AFPBB News

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