両親がいない…元ウエイトレスの孤独を救った意外な相手 #9
ananweb / 2018年3月25日 19時30分
ライター&コラムニストharakoが、実際に既婚女性100人にインタビューをし、結婚までのプロセスや心境の変化をお伝えする連載です。第9回目は、両親がいない境遇で育ったRさんのお話です。
■ 本当は、ひとりぼっちが寂しかった……。
【実録♡ 結婚プロセス100人インタビュー 】vol. 9
私には両親がいません。始めからこんなことをお話して申し訳ないんですが、事実です。私が小学生だった時、両親が離婚して父親に引き取られました。その後、父は再婚し義母との間に2人の子どもをもうけたのですが、また離婚。義母はその子どもたちを連れて家を出ていきました。
さらなる不幸が重なります。今度は、父親が病気になり、闘病の末にこの世を去ってしまったんです。幼すぎて記憶が薄れているけれど、私の孤独感はとても大きかったことを今でも覚えています。頼る場所もないし、実の母親は小学校以来まったく会っていません。風の噂で再婚したとは聞いていますが、今どこで何をしているかは不明です。
父親は病気で亡くなり、母親はどこにいるかわからない。だんだん成長するにつれて、友人から聞く “家族の思い出話” は、耳が痛く感じるようになっていきました。そんなこともあってか、私は恋愛に対して真剣に先のことまで考える慎重派。
好きになったら必ず、結婚した後の家庭の様子、どんな子供が生まれるのかまで、ひと通り想像するのが私のパターンなんです。
■ 自分から積極的にいくけど、去るのも早い
でも、決して受け身の恋愛ではなく、グイグイ行くときは行くという感じで、時には相手に彼女がいても積極的にアプローチすることもありました。しかし、実際に交際してみて「なんか違うな」「理想の男性じゃない」と思ったとたん、すぐ自分から別れる。そんなことを繰り返す恋愛だった気がします。
どんな彼氏が理想? と聞かれても、わからないのが本音だった私は、20代後半になっても、“とりあえずお試しでお付き合い” がお決まりのスタートに。その頃、私はホテルのレストランでウエイトレスをしていたのですが、同じホテル内で働いている年上男性から告白を受けて “とりあえずお試しでお付き合い” することにしました。
顔は特にタイプじゃないけど、悪い人ではなさそうだし、告白してくれたし……。結局2年くらい付き合っていたんですが、不自然なことが多くて、いまいち深くお互いを知ることができなかったんです。
お互い近くに住んでいたものの、私の家には来るのに、彼の家には入れてくれないということがずっと続いて。「なんで、入れてくれないの?」と聞いても、「散らかっていて、恥ずかしい」と言いわけするだけ。いやいや、もうけっこう長いこと一緒にいるのに……なんで? と、疑問に思っていました。
■ ドケチ&不衛生さにドン引き
彼と旅行した時の話。彼のカバンが、まるで中学生の男子が使うような紐付きの肩掛けバッグで、汚れている感じが気になりました。「え? ちょっとこれ大人がデートに持ってくる?」というのが、正直な感想でしたね。それに履いてきたズボンがなんか臭う……。こっそり匂いを嗅いでみると、強烈な異臭。ええ? まさか洗濯してない?
普段、ホテルの職場で会うときは制服を着ているから、そこまで気にならなかったけれど、旅行であらためてよく彼を観察してみると、とても不衛生。私は生理的に無理になっていきました。もしかして、部屋に入れてくれない理由の “散らかっている” は、本気のぐちゃぐちゃゴミ屋敷!? なんか嫌な予感しかしない……。
金銭感覚でも驚くようなことが度々ありましたね。あれは私の誕生日でした。ポケットからぐちゃぐちゃのクーポン券を取り出して「なあ? 蟹料理屋に行こうか」とひと言。まあ、そのぐちゃぐちゃクーポンは見なかったことにしても、その気持ちが嬉しかったし、一緒に行くことにしたんです。
そして、食べ終わったあとお会計でそのクーポンを見せたら「それは、このコースには使えないんですよ」と言われて、愕然。そのクーポン頼りでお店に来ていた(らしい)彼は、お金が足りずにゴソゴソしているんです。誕生日なのに、私が足りないお金を出して、恥ずかしくて悲しくて…やるせない気持ちになりました。
ケチくさいな〜って思っちゃいますよね(苦笑)。正直、不衛生なところと、ドケチな金銭感覚にドン引きした私は、そのままお別れを告げて去りました。
■ さりげない気遣いに、落ち着きを覚えた瞬間
彼氏もいないし、なんか楽しいことないかな〜?なんて、思っていた矢先。友人の誘いで4対4の飲み会に誘われたんです。お? 出会いのチャンス? と思った私は、とりあえず行ったのは良いんですが、私以外3人とも女性が知り合い同士。まったく会話になじめめなかったので、ただご飯を食べてお酒を飲みまくって気を紛らわしていました。
ぶっちゃけ目の前の男性と少し話したくらいで、全員の男性とは話してない。女性陣は楽しそうだし、人数合わせってやつね? とひねくれていました。気づけば、ベロベロに酔っ払ってしまったし、なんか雰囲気だけ楽しんでる気がします。終盤に下駄箱で座り込んでいたら、飲み会の最中にひと言も話さなかった男性が「ねえ、大丈夫?」と声をかけてくれたんです。
「俺仕事帰りで、車だから家まで送っていくよ」と。ずっと会話に入れずに気を紛らわしていた私からすると、その優しさがなんだか神さまに見えましたよ(笑)。それをきっかけに何度かご飯にいくようになり、「よかったら付き合ってくれん?」と言われたんです。
でも “お試しで付き合う” のはもうやめよう!って。真剣に考えよう!と思って、すぐにお返事はしませんでしたが、……よく考えて1か月後、OKの返事とともに彼女になりました。
どうやら、専門学生時代から彼女がいなかったらしいんですよ。後から聞いたら、5〜6年?いないとかで。でも、一緒にいる時間が進むにつれて、彼の純粋さを感じるようになりました。私が「ここに行ってみたいな〜」という言葉を覚えてくれていたり、お誕生日にサプライズをしてくれたり。彼となら安心して将来を考えることができそう、と思ったころ、プロポーズを受けて結婚することになりました。
■ 家族って、ただ隣にいるだけで幸せなんだ
結婚して “初めての家族” ができました。幼い時に両親がいなくなってしまった私は、ずっとこの温かい感じを探していました。どんな男性が良いのかわからなかったけれど、結局たどり着いた答えは「ただ隣にいてくれるだけでいい」という感覚。
出世して稼いでほしい、地位のある人がいい、かっこいい人がいいなど、いろいろな価値観があると思いますが、私は裏切らない居場所が欲しかったんです。ただ、それだけでよかった。
先日、家を建てたのですが、家電や住宅のお金はしっかり使って、抑えるところは抑える。そんな金銭感覚ひとつとっても、恋愛と結婚では大きく異なると実感しています。将来を二人で考えながら計画を立てる日々を噛み締めながら、「家族って、こんな感じなんだ」と初めて知ることができて、やっと私にも幸せが見つかりました。これからも、よろしくね。
■ お話を聞いて……。
いつも明るいRさん。まさか幼い時の境遇がそんな状況だったとは知らずに、お話を聞きながら涙が出てしまいました。「ただ隣にいてくれるだけでいい」その言葉に、家族への愛が滲み出ていると思います。
新しいお家で、一歩一歩将来を作ってくださいね♡ 本当に、おめでとうございます!
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