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長塚圭史演出で日本初上陸! “絞首刑執行人”の舞台

ananweb / 2018年5月14日 11時0分

今年のアカデミー賞で大きな話題をさらった映画『スリー・ビルボード』。滑稽で残酷な物語を、ヒリヒリするほどの生々しさとユーモアで描き出したこの作品で監督・脚本を手がけたのは、劇作家として世界的な評価を受けるマーティン・マクドナー。その最新作『ハングマン』が、長塚圭史さん演出で日本初上陸。


「マクドナーの戯曲を読むと、すべての登場人物の造形が本当に素晴らしく、おかしみを感じさせると同時に、辛辣な皮肉が込められているんですよね。しかも、その人間模様が織りなす様を面白がりながらも、結末まで辿り着くと僕らの心にアイロニカルなものを残していくんです」

日本でマクドナーの名前が広く知られたのは、’03年の舞台『ウィー・トーマス』。自身も過激で凄惨な場面を喜劇的に描いてきた長塚さんの演出は、その戯曲と親和性が高く大評判に。以降’07年までの間に3作の演出を手がけたが、なんと今回、約10年ぶりの邂逅。「マクドナーが5年ぶりに書いた新作戯曲で再会させてもらえたのはありがたい」と話す。

「僕自身、しばらく別の方向性の作品に夢中になっていたので、こういうタイプの芝居を作るのが久しぶり。稽古が始まって、いま、非常に鮮度高くやれています(笑)」

舞台は、イングランドで死刑制度廃止が施行された1965年前後。絞首刑執行人(ハングマン)のハリーを巡り、物語が展開されていく。

「初演されたイギリスでは、死刑制度はすでに博物館的な遺物なんですよ。ただ、歴史的には死刑を進んでおこなってきた国なわけです。倫理的にどっちにつくのか…僕には、マクドナーが、芝居を観て笑っている観客のことも皮肉っているように思えるんです。さらにブラックなのは、この作品が、死刑制度が存続する日本で上演されることですけど(笑)」

毒々しさと笑いとをブレンドし、巧妙に構築された「非常に頭のいい戯曲」ではあるけれど、「あまり理知的に作りたくない」と話す。

「戯曲を正確にやると、英国的なスマートな芝居になりすぎちゃう気がしているんですよね。僕はもっと大真面目に馬鹿やってる作品にしたいんですよ。もっと過剰にいろんなものを盛り込んで、グチャグチャになればいいなと思うんです」

ながつか・けいし 1975年生まれ。劇作家、演出家。旗揚げ以来、ユニットとして活動してきた阿佐ヶ谷スパイダースを昨年、劇団化。新作公演『MAKOTO』は8月9~20日に上演。

絞首刑執行人のハリー(田中哲司)は、冤罪を訴える容疑者の刑を執行した。2年後、死刑制度は廃止されたが、かつての事件の真犯人らしき男がハリーの前に現れて…。5月16日(水)~27日(日) 三軒茶屋・世田谷パブリックシアター 作/マーティン・マクドナー 翻訳/小川絵梨子 演出・出演/長塚圭史 出演/田中哲司、秋山菜津子、大東駿介ほか 全席指定8500円(税込み)ほか パルコステージ TEL:03・3477・5858 5月12日~13日に埼玉公演が、6月には豊橋、京都、北九州公演あり。

※『anan』2018年5月16日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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