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岡崎体育 なぜミュージシャンは「東京」を歌いたがるのか?

ananweb / 2018年7月3日 11時0分

岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「東京」です。


みなさん、東京は好きですか? なぜかミュージシャンはよく「東京」をテーマに曲を書きます。しかもええ曲が多い。それはなぜかを今回は考えたいと思います。東京は日本の中心で、すべての最先端。なんでも揃っている。でも、それが「東京」を歌いたくなる理由だと僕は思いません。結局、東京は地方出身者の集合体なんです。「東京」を歌うのは、東京の人じゃない。地方から上京する。そこで、これまで暮らしていた場所との違いに戸惑い、馴染めない不甲斐なさやこれまで感じてこなかった故郷への想いが募る。その切ない感傷が東京ソングスのソースとなっていく。だから、基本バラードですよね。めっちゃBPM(Beats Per Minute=演奏のテンポ)が速い「東京」ってないんちゃうかな…。「東京」を歌えるのは、実は東京の外側の人たちだけ。地方からの客観視ができているからこそ、感情がのりやすいし、共感を集めることもできる。吉幾三さんの「俺ら東京さ行ぐだ」なんて、東京への究極の客観視から生まれた歌だと僕は思います。

じゃ、地方在住の僕はどうかというと、僕は「東京」という曲は書けません。なぜなら東京に対して何の思い入れもないからです。僕ははっきり言うと東京が嫌いです。人多いし、ごちゃごちゃしているし、できればずっと宇治にいときたい。もし、僕が今「東京」を書いたとしても悪口をひたすら語る曲になりそうです。それはさすがに角が立つでしょ…。

あと、やはり東京に住んでないと「東京」を歌ってはいけない気もします。僕は、地方在住アーティストの一角を担っていると自負していますし、盆地テクノ背負っていますし、そうそう宇治を離れられない。少なくとも目標だと公言している、さいたまスーパーアリーナでの単独公演を達成するまでは今のままやと思います。そう考えるとあと2年は上京しない計算になる…。でも、あと2年も実家暮らしというのもクソやばいな…。東京に出たら、良くも悪くも変わってしまいそう。そういう怖さもあります。でも、夢はあります。東京に住むなら代官山。それでゴールデン・レトリバーを2匹飼いたい。それが、僕が憧れる成功者の姿です。そのころ、僕は何をしているんでしょう。敏腕音楽プロデューサーなのか、駆け出し文化人になっているのか、今はまだわかりませんね。

おかざき・たいいく タイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。

※『anan』2018年7月4日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈

(by anan編集部)

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