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「必見の展示ベスト5」に入った注目作家 日本の美術館で初個展

ananweb / 2018年9月21日 11時0分

「必見の展示ベスト5」に入った注目作家 日本の美術館で初個展

2013年のヴェネチア・ビエンナーレでウォールストリートジャーナル紙が「必見の展示ベスト5」に挙げるなど、国際的な注目を集めた作家リー・キット。’16年には米国とベルギーで個展を同時開催。次世代アートシーンを牽引する彼の日本の美術館初の個展が始まった。


彼を一躍有名にしたのは、布に絵の具でストライプや格子柄などを描いたシリーズ。彼は自分でペイントした布を何度も洗って、ある時はピクニックに、ある時は展覧会に持っていく。実用性も兼ね備えたこの作品はアートというより愛用品といった佇まいで、観る人にも親近感を与えた。また淡いパステルカラーに塗られた段ボールに、ニベアなどの生活用品のロゴをペイントしたシリーズも有名。こういった観る人それぞれの日常的な体験を呼び覚ます彼の作品は、アートをより身近なものにしてくれると評判だ。

近年は絵画やドローイング、プロジェクター映像の他、家具や日用品等を配置した空間を淡い色調で仕上げた絵画のようなインスタレーションに力を入れるリー氏。「展覧会をするなら、開催地の歴史や空気感を大切にし、その場所だけのための作品を」という彼にとって、昭和の実業家・原家の私邸であり、第二次世界大戦時にはGHQに接収された歴史を持つ原美術館は、まさに最高の舞台。どんな展示が登場するのか、気鋭作家の日常の視点に注目したい。

個展「Not untitled」(シュウゴアーツ、2017年)より「Only the wind」

1978年、香港生まれ。2013年ヴェネチア・ビエンナーレ香港代表。’17年にはパリのパレ・ド・トーキョーで展覧会に参加するなど精力的に活躍。

「リー・キット『僕らはもっと繊細だった。』」原美術館 東京都品川区北品川4-7-25 開催中~12月24日(月) 11時~17時(祝日を除く水曜~20時、入館は閉館時刻の30分前まで) 月曜(9/24、10/8、12/24は開館)、9/25、10/9休 一般1100円ほか TEL:03・3445・0651(代)

©Lee Kit, courtesy the artist and ShugoArts

※『anan』2018年9月26日号より。文・山田貴美子

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