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国は世界3位だけど…下がり続ける「1人当たりGDP」に対策は?

ananweb / 2019年7月12日 19時30分

国は世界3位だけど…下がり続ける「1人当たりGDP」に対策は?

意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「1人当たりGDP」です。
■ 国のGDPは世界3位でも、個人は下がる一方。


GDP(国内総生産)は、その年にどれくらいの経済成長をしたかを見るための指標。経済成長は、新しい付加価値をどれほど生み出せたかによって測られます。それはたとえば、今まで100円で売っていた飲料に、技術革新で新しい機能性を加えて商品価値を上げ、150円で販売するというようなこと。そんなふうに「昨日よりもちょっと違う何か」を積み重ねていったものが経済成長なんです。

2019年1~3月期のGDP成長率は、実質0.6%上方となりました。しかし、上向きを手放しでは喜べません。なぜなら内情は、輸出が増えただけで、内需(国内の需要)は増えていない。付加価値のついたものは高くて買えないくらい、日本の国民生活が弱っているからです。

日本の、国のGDPは世界第3位にとどまっていますが、1人当たりのGDPは下がり続けて26位。国民一人一人の稼ぐ力、新しい価値を生み出す力が落ちているんですね。

秋には消費税の増税を予定しており、今月の参院選では、増税に賛成か反対かが争点になると予想されます。しかし、仮に増税しなかったとしても、個人が付加価値を作り出して稼ぎが増えないことには、国の借金はいつまでたっても減りません。もっと根本的な解決策が必要です。副業・兼業について規定が新設され、働き方改革の流れもあり、一企業に一生を委ねる社会ではなくなりました。ならば、個人がもっと稼ぎ出す力をつけなければいけない。それには、どういう社会の仕組みが必要なのか。政治家のみなさんには具体策を打ち出していただきたいです。大学で職業訓練を受けたり、専門技術を学べる教育プログラムを作ることかもしれませんし、ロストジェネレーションと呼ばれる30代後半~40代の人材活用や再教育が必要なのかもしれません。

みなさんも、自分ならどんな「昨日とは違う何か」を生み出せるか、考えてみてください。経験や特技を生かして、きっと何か新しい価値を見いだせるはずです。それは、ワクワクする創造的なことなのだと思います。1人当たりのGDPを伸ばして、生きやすい社会にしましょう。

堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2019年7月17日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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