マスク時代は“毒出しうがい”が常識に? 口内環境の整え方
ananweb / 2020年10月23日 20時50分
マスクの着用が当たり前となった今、“うがい”は習慣化されましたが、喉だけじゃなく口の中もちゃんと清潔にしていますか? 口呼吸の増加による感染症リスクを減らすためにも、すぐにでも実践できる“毒出しうがい”で、口内環境を健康にしていきましょう!
口呼吸で口内環境が悪化。ウイルスの温床に…!?
“うがい”というと喉をガラガラとゆすぐうがいを思い浮かべる人も多いかもしれないけれど、毒出しうがいは口内の洗浄法。
「ウイルスは、喉に辿り着く前に口の中を通ります。その時に歯や歯肉、舌が汚れていると、そこにウイルスが張りついてしまう。とくにマスク時代の今、口元が見えない気の緩みやマスクによる息苦しさで、口呼吸になりがちに。すると外敵が口に入りやすく、また良い免疫成分を多く含む唾液が乾燥してしまうため、口内環境が悪化。感染症などのリスクにつながります。そんな事態を防ぐためにおすすめしたいのが、毒出しうがい。口の中の汚れを効果的に洗い流すこの方法は、歯磨きよりも手軽なので、日常的に取り入れやすいはず。口内の清潔を保って秋冬を元気に過ごしましょう」(歯学博士・照山裕子さん)
毒出しうがいの「毒」とは、カラダに悪さをする歯垢のもと、=(イコール)ばい菌や食べかすのこと。それらの除去が健康のためには必須。
現代人の口内事情
マスクの日常化で口呼吸気味になり、それに端を発した唾液不足による口臭や歯周病。また、不安定な生活がストレスとなり、無意識のうちに歯ぎしりをして歯が欠けてしまうなど、口内事情はかつてないほど劣悪に!
毒出しうがいのメリット
手軽に清潔にできる。
口内を清潔に保つには歯磨きももちろん有効だけれど、外出先で行うには歯磨きセットを持ち歩かなければいけないし、磨く時間もかかる。その点、毒出しうがいは水さえあればOK。しかも、短時間で口の中がきれいに。
口内の筋肉が鍛えられる。
毒出しうがいは口の上下左右に、勢いよく水を当てていくのがポイント。かなり筋肉を使うため、マスクの下で緩みがちな口元を鍛えることができる。すると口呼吸がなくなり、外敵の侵入をブロック。唾液も潤沢に。
歯周病の予防に一役。
歯周病とは、歯を支える骨が溶けてしまう病気。その原因となる歯石は、歯垢によってできるが、歯垢は食べかすにばい菌が集まり塊となったもの。毒出しうがいは食べかすやばい菌の除去に有効なので、歯周病予防に良好。
基本の毒出しうがい
1、上の歯を洗う。
口に含んだ水を舌に乗せ、上の歯に向けて音を鳴らしながら強く速くぶつける。10回行い、吐き出す。
2、下の歯を洗う。
新たに口に含んだ水を下の歯に向けて強く速くぶつける。10回行ったら、吐き出す。
3、右の歯を洗う。
再度口に含んだ水を、右の奥歯に強く速くぶつける。奥歯を合わせて歯の間に水を通すイメージ。10回行う。
4、左の歯を洗う。
3の水を吐き出したら、新たに口に含んだ水を左の奥歯に向けて同様に強く速くぶつける。10回行い、吐き出す。
毒出しうがいの基本情報がわかったところで他にも疑問が! 行う頻度など、気になることを照山さんに聞いてみました。
Q. どのくらいの頻度、タイミングがいい?
A. 最低食後3回、理想は口に何か入れた後。
「毒出しうがいの目的は、飲食した時に口の中に残った食べかすや糖分を洗い流すことなので、食後は毎回行って。また、おやつを食べた後や、着色しやすいコーヒーなど色のついた飲み物を飲んだ後も行ったほうが。飲食後、早いほどいいでしょう」
Q. 歯磨きとのすみ分けは?
A. 歯磨きは歯の周りの歯垢を取り除く。
「ただし、歯垢を完全に取り除くには的確なブラッシングや歯間ケアが条件で、そういう歯磨きができる人はごく少数です。歯磨きの前に、食べかすを除去する毒出しうがいを。こうして口の中に汚れを残さない習慣をつけておけば、歯垢がたまりにくくなり、歯磨きもラクに」
Q. うがいに適した液体は?
A. ベストは常温の水。緑茶でもOK。
「水ならミネラルウォーターでも水道水でも。温度は冷たすぎず、熱すぎず。一番いいのは常温です。また、緑茶は抗菌、消臭効果のあるカテキンが入っているので、口内の清潔を目的とした毒出しうがいと相性よし。食事と一緒に飲む時に、口の中で回して食べかすを流すのも」
Q. 虫歯も治る?
A. 予防はできます。
「虫歯の原因は、食べかすや歯垢、口の中のばい菌。毒出しうがいを習慣化すれば予防はできますが、治ることはないので、デンタルチェックは大切。ちなみに大人になるとエナメル質が成熟して硬くなり、基本的には虫歯になりません。気をつけたいのは断然歯周病です」
Q. ガラガラうがいとの違いは?
A. きれいにする場所が違う。
「上を向いて喉をガラガラするうがいは、喉についたばい菌を洗い流すもの。一方、毒出しうがいは口の中を清潔にすることが目的です。ただし、鼻から吸ったばい菌は、直接喉に届きます。そのため毒出しうがいの後に、喉のガラガラうがいも加えるのが賢明です」
照山裕子さん 歯学博士。感染症からカラダを守る「毒出しうがい」を考案。近著に『歯科医が考案 毒出し歯みがき』(アスコム)など。メディア出演も多数。
※『anan』2020年10月28日号より。イラスト・黒猫まな子 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)
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