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『007』を初めて観るなら「最新作から」がイイ? 宇多丸がすすめる理由

ananweb / 2021年10月16日 18時10分

『007』を初めて観るなら「最新作から」がイイ? 宇多丸がすすめる理由

シリーズ映画って、どんなところが面白いんですか? 映画を愛する宇多丸さんが、シリーズ映画の金字塔、『007』を例に挙げながら、その魅力を熱く語ります。

シリーズ映画といっても、作品は星の数ほどあり、ジャンルもスタイルもさまざま。「でも一番のポイントは、話が繋がっているか。三部作など話が次回作へ続くパターン、1作ずつ話が完結するパターンの2つに分かれますね」と語るのは、独自の映画評論にファンが多いライムスターの宇多丸さん。

「話が続く醍醐味は大きいけど、シリーズ映画の初心者なら、どこから観てもわかる1話完結タイプが入りやすいと思う」

宇多丸さんが「ちょっと特殊ではあるけど、やっぱりシリーズ映画の魅力が凝縮されている」と絶賛するのが『007』シリーズ。59年前に公開された1作目から、この秋公開の最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』まで25作品が発表されている、世界最長の1話完結型のスパイアクション映画の人気シリーズだ。

「長く愛される魅力としては、まずは様式美。スパイである主人公のジェームズ・ボンドが、巨悪の組織と死闘を繰り広げるストーリーだったり、恋仲になるボンドガールとの絡みだったり。時代に合わせて作品はアップデートしているけど、基本の流れは変わらない。あとは、3作目あたりから確立された、10分くらいのアバンタイトルも見逃せない。その後、おなじみのテーマ曲とシルエットが流れるんだけど、演出が凝っていて作品の見せ場の8割くらいは占めちゃってる(笑)。そんなお約束を、今回はどうくるの? あぁそうきたか! と楽しむ。もはや歌舞伎の型に近いんだけど、シリーズに様式美は必須です」

そして、『007』といえばジェームズ・ボンド。プレイボーイの凄腕スパイで、少しダークヒーロー的な一面もあるキャラクターは、またあいつに会いたいと思わせる強さが。それをどう演じるのか? 主演俳優が入れ替わることも含め、大きな見どころだとか。

「初代のショーン・コネリーは野性的なかっこよさがあったし、僕がこのシリーズを観始めた‘70年代後半から‘80年代はロジャー・ムーア期で、とにかく軽くてふざけていて、ほぼコメディ(笑)。5代目のピアース・ブロスナンは、チャラさとシリアスさの塩梅が絶妙だったり。今回のボンドはハマってるとかイマイチとか、ああだこうだ言うのが楽しいんだよね(笑)」

さらに、これまでにさまざまな監督が手がけ、良くも悪くも作品ごとにテイストが違い、シリーズの変遷があるのも醍醐味だとも。

「ピーター・ハント監督の6作目『女王陛下の007』は公開当時失敗作と言われていて。ジョージ・レーゼンビーが2代目ボンドとして登場したんだけど、彼主役のボンドはこの1作のみ。作品はものすごく虚無的な終わり方をしているんだけど、今になって最高傑作だと評価されたり。ちなみに僕が一番好きなのは、23作目の『007/スカイフォール』。ダニエル・クレイグ演じる6代目は全体にかなりシリアスでストイックな路線に徹していて、ボンドらしくないという批判も当初はあったんだけど…。『スカイフォール』はその持ち味が最大限いい方向に活かされた一作といえると思います。名カメラマン、ロジャー・ディーキンスによる映像も本当に美しくて、完成度は群を抜いていますね」

と言いつつも、「初めて『007』シリーズを観るならば、まずは最新作から入ってみて」と宇多丸さん。

「『007』に限らず、映画というのは常に、その時代の観客に向けて作られているものだから。リアルタイムだからこそ、描かれている世界観がすんなり理解できる。最新作の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は女性がすごくかっこいいし、それは今にふさわしい感覚ですよね。で、最新作を観て面白いと思ったら、ぜひ昔のボンドのいいかげんなノリも味わってほしい(笑)。シリーズの歴史を踏まえると、もっとハマっていきますから」



『007/ゴールドフィンガー』(1964年)starring ショーン・コネリー
シリーズの人気を不動のものにした3作目。アバンタイトル、世界各地を飛び回るボンドの活躍、秘密兵器の受け渡し、ボンドカーなど現在に受け継がれる礎が築かれた作品。

ブルーレイ¥2,619 発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント GOLDFINGER © 1964 United Artists Corporation and Danjaq, LLC. All Rights Reserved. 007 Gun Logo and related James Bond Trademarks © 1962-2013 Danjaq, LLC and United Artists Corporation. 007 and related James Bond Trademarks are trademarkes of Danjaq, LLC. All Rights Reserved.



『女王陛下の007』(1969年)starring ジョージ・レーゼンビー
2代目のジェームズ・ボンドが登場した6作目。アクションだけでなく、ラブストーリー要素も取り入れた本作は、最もボンド映画らしい作品の一つとして再評価されている。

ブルーレイ¥2,619 発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント ON HER MAJESTY’S SECRET SERVICE © 1969 United Artists Corporation and Danjaq, LLC. All Rights Reserved. 007 Gun Logo and related James Bond Trademarks © 1962-2013 Danjaq, LLC and United Artists Corporation. 007 and related James Bond Trademarks are trademarks of Danjaq, LLC. All Rights Reserved.



『007/スカイフォール』(2012年)starring ダニエル・クレイグ
23作目。シリーズ初のオスカー監督、サム・メンデスが手がけた作品。撮影監督はロジャー・ディーキンス。ボンド役のダニエル・クレイグは6代目。

ブルーレイ¥2,619/DVD¥1,572 発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント SKYFALL © 2012 Danjaq, LLC,United Artists Corporation, Columbia Pictures Industries,Inc. SKYFALL, 007 Gun Logo and related James Bond Trademarks © 1962-2013 Danjaq, LLC and United Artists Corporation. SKYFALL, 007 Gun Logo and related James Bond Trademarks are trademarks of Danjaq, LLC. All Rights Reserved.

うたまる ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパー、ラジオパーソナリティ。映画に造詣が深く、ラジオだけでなく、雑誌やウェブでも独自の視点で評論。近著に『森田芳光全映画』(リトルモア)がある。

※『anan』2021年10月20日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) 小笠原真紀 取材、文・野尻和代

(by anan編集部)

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