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【7月のパワースポット】花見ならぬ「蓮見」で縁結びパワーを!

ANGIE / 2016年7月9日 19時0分



皆さんが、いちばん好きな花を選ぶとしたら、なにを選びますか?

私は蓮の花です。「泥より出(い)でて、泥に染まらず」。泥の中から天に向かって真っ直ぐに咲く花は、なんとも神々しい美しさをたたえていますね。

蓮はただ美しいだけでなく、泥の中から花を咲かせるたくましさと、わずか4日ほどで散ってしまうはかなさを合わせもつ花。葉と花と実の3つを同時に現出させることから「過去、現在、未来」をあらわす神聖な植物とされてきました。

 

7月12日~16日頃は七十二候「蓮始めて開く(はすはじめてひらく)」。蓮の花がそろそろ開く頃。今日は、江戸っ子が蓮見(はすみ)に出かけたという不忍池(しのばずのいけ)と、世界遺産・平泉中尊寺(ちゅうそんじ)に咲く奇跡の蓮をご紹介します。

写真を眺めているだけで、美しく清らかな花の力をチャージできるかもしれませんよ。

 
七十二候とは?
時間に追われて生きることに疲れたら、ひと休みしませんか? 流れゆく季節の「気配」や「きざし」を感じて、自然とつながりましょう。自然はすべての人に贈られた「宝物」。季節を感じる暮らしは、あなたの心を癒し、元気にしてくれるでしょう。

季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。およそ15日ごとに「立夏(りっか)」「小満(しょうまん)」と、季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。

「蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)」「蚯蚓出ずる(みみずいずる)」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。

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7月は「蓮見」で縁結び・財産・芸事のパワーチャージ!


江戸っ子たちにとっての花といえば春は桜、夏は蓮。蓮の花が咲くと、こぞって不忍池(しのばずのいけ)に「蓮見(はすみ)」に出かけたそうです。

池のほとりにある茶屋で、蓮の若葉を細かく刻んでお米と一緒に炊いた蓮飯(はすめし)をいただいたり、小舟に乗って蓮を眺めたり。デートを楽しむカップルも多かったとか。

今でも蓮の時季は、池のほとりでお弁当を食べたり、お茶を楽しむ人の姿が数多く見受けられますね。

 



上野恩賜公園にある不忍池には寛永2年(1625)、江戸の鬼門を守るために創建された弁天堂があります。

弁天さまといえば琵琶を奏でるたおやかなお姿が浮かびますが、江戸の鬼門を守るという大役を担う不忍池の弁天さまは、8本の腕に剣や弓を持ったたくましい女神さま。

ご利益は「財産」「芸事の向上」「縁結び」。芸能人や有名な料理人をはじめ、職人さんといわれる方々がこぞって参拝に訪れていますので、かなり強力なお力をいただけそうですね。

弁天さまをお参りし、その途中で花を眺めて、おいしいものをいただいて。江戸時代は信仰と娯楽が一体となっていました。神社やお寺の境内で蓮の花を眺めるときは、ぜひ神さま仏さまに手を合わせてから蓮見を楽しみましょう。

 



不忍池の蓮は、これから8月中旬までが見ごろ。

風に蓮の花がゆらゆら。蓮池の向こうに高層ビルがそびえる都会のオアシス不忍池では、江戸の世も今も、多くの人々が蓮の花に心癒されています。

 
800年の眠りから目覚めた「奇跡の花」


こちらの蓮は、岩手県平泉町の中尊寺境内に咲くふつうの蓮。

そして下の蓮が、800年から目覚めた中尊寺蓮です。



中尊寺蓮には、800年の眠りから目覚めた壮大な歴史ロマンが息づいています。

豊富だった金を利用して、都をしのぐ都を平泉に築いた豪族、奥州藤原氏。戦乱で父や妻子を失い、骨肉の争いを余儀なくされた初代・清衡(きよひら)公によって、「生きとし生けるもの、命あるすべてのものが浄土へと導かれるように」との平和の願いを込めてつくられた都は約100年もの間、輝かしい栄華をほこりました。

生きとし生けるものというのは、人間にとどまりません。鳥や魚、小さな貝にいたるまで。敵も味方もなく、人と自然がともに生きる理想郷を願い生まれた都。その栄華に終止符を打ったのは、四代泰衡(やすひら)公でした。源頼朝(みなもとのよりとも)の命をうけ、義経(よしつね)を自害に追いやり、結果、平泉を滅亡へと導くことに。

その泰衡公の首桶(くびおけ)から発見された100粒あまりの蓮の種から、平成10年7月、一輪の蓮の花が開花したのです!

 

800年もの間、暗い桶の中で長い眠りについていた小さな蓮の種。はじめて見たとき、その可憐な姿に胸がじーんとしました。蓮の花びらが一枚、また一枚と散ってゆくさまは、菩薩が慈悲の心に目覚めていく姿にたとえられるそうです。

頼朝に追われ、逃げ延びた地で家臣の裏切りにあい、自らも悲惨な最期を遂げた泰衡公。その死を不憫(ふびん)に思った名もなき村の人々が、供養の思いを込めて桶の中に蓮の花の種を忍ばせました。

滅亡に追いやったものも、滅亡したものも、すべては夢のあと。中尊寺蓮には浄土の願いが込められているのです。だからこそ、可憐なやさしさに包まれているのかもしれませんね。

 
心呼吸できる旅!東北屈指のパワースポットへ行きませんか?


中尊寺蓮の見ごろは不忍池よりもう少し長くて、8月下旬まで。東京から平泉までは新幹線と電車を乗り継いで、2時間半~3時間の距離です。

平泉は浄土の花と、おだやかなお顔をなさった仏さまに心癒され、深呼吸ならぬ、心呼吸できる東北屈指のパワースポット。心が疲れている方には特におすすめです。

 



小鳥のさえずりをBGMに、あふれるほどの緑に抱かれて祈りをささげる癒しのひととき。

 



私が中尊寺を訪れたとき、森の中で美しいカモシカと出会いました。目と目があって、思わずカメラのシャッターを切りました。神域で出会う生き物はすべて、神さま仏さまのおつかいです。

 

今年の夏は奇跡の蓮を眺めに、平泉へいらっしゃいませんか?

蓮の花は朝6時頃から咲きはじめ、お昼ごろにはしぼんでしまいます。蓮の花を楽しむなら、お寝坊さんも早起きを!

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【参考】特別展 平泉 みちのくの浄土(仙台市博物館 図録)

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