セックス依存症の実情。「タガが外れる瞬間」はどのように訪れるの?
ANGIE / 2015年2月26日 12時30分
性欲は誰にもありますし、女性でも自発的にセックスしたいと思うのは普通のこと。
ですが、その「したい」の歯止めがきかない、性欲のコントロールができない……そんな状態になることがあるようです。
そう、セックス依存症です。笑い事ではなく、真面目なお話です。
プロゴルファーのタイガー・ウッズの不倫騒動をとおして話題になった言葉で、よく耳にしましたね。
「セックス好き」のイメージがあるため、以前はただの「モラルの欠如」とされており、脳の病気のひとつとしての認識がなかったそうです。
たしかにまだまだ「性欲が強い」イメージだけが、独り歩きしている印象です。
セックスに依存してしまうのは「セックス好き」ではない!
脳科学者・中野信子先生の著書『脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体』によると「セックスの快感には脳の報酬系がかかわっている」とのこと。
報酬系とは、満たされたときに脳に快感を与える神経系のことです。
「好きなものに接しているとき、脳の中にドーパミンが放出され、脳は快感を覚えます。
そしてさらにこの結果は情報として記憶されます。
こうして最初の体験が快感とともに記憶されると『再びあの体験をしたい』と考えるようになります。
しかし、日常生活でドーパミンが放出される状況は不思議ではありません。
そのために、セロトニンなどの抑制物質が適度な興奮を抑えてくれています。
依存症の人はこうした神経伝達物質のバランスが崩れているのだと考えられます」
つまり、奔放でもモラルがないのでもなく、抑制のバランスが取れない脳の病気だからなのです。
依存の正体とは・・・
「性的な快感をもたらす刺激は、脳の報酬系を活性化させますから、その快感があまりに大きいと耐性が生成されてしまいます。
そして、性的な刺激の頻度や強度が増し、やめたいと思っても離脱症状が起こってやめられない状態になります」
そう、性的な快楽は、脳に関する病気なのです。
ただし、多くは誤解されています。
「この状態はあらゆる依存症の中でもっとも助けを求めにくく、また理解してもらいにくいものでしょう。
当人の趣味・意思で行っているとしか考えないからです」
セックスすると快感・幸せと感じることは普通ですが、その快感を追い求めて何も手につかなくなったり、そのためならなんでもする・時間を惜しまない、となってしまうと「依存症」の領域になってしまいます。
「私、依存症かな・・・」と言った女性
以前、「セックス依存症かもしれないと悩んでいた」女性と話したことがあります。
当時はあまり知られていない言葉でしたから「この人はセックス大好きな人なのかな」とぼんやり考えていました。
「もともと尽くすタイプで、男性が喜ぶのがうれしかった。
ある日『こんなおもしろいことがあったのね』と突然タガが外れ、Hばかりしていました。
気持ちがいいし、いろんな意味で安心するのでまたしてしまう。
相手もとっかえひっかえで依存症かもしれないと思っていた」とのこと。
本書にある「セックス依存の根源にあるのは強い性的欲求ではなく、寂しさです」との通り、彼女はとても寂しがりだったようです。
そのうちに多忙になったために機会が減り、いつのまにかしなくても平気になったとのこと。
彼女はセックス依存症だったのでしょうか。私はそうは思えませんでした。
頻繁にセックスするけれど、そこまでの域には行っていない、と感じる女性は多いかもしれませんね。
でも、「生きている実感」を感じたり、日常生活に支障をきたすようになったら要注意。
そんな時は、専門外来もあるので、まよわず医療機関を受診してください。
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