「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」:女子の力を集めれば、世の中を変えられる。

AOLニュース / 2012年3月23日 17時15分

Filed under: ムービー, 週刊 映画コラム

昨年の8月に米国で公開後、あれよあれよいう間に口コミが広がり、3週間で興収1億ドルを記録し、3週連続で1位となったこの映画。原作がベストセラーだったから当然とも言えるが、とにかく私の米国の友人達も絶賛で、アカデミー賞の主演女優賞と、助演女優賞に2人もノミネートされ、その他の映画賞でもかなり話題だった。とはいえ、監督も新人、キャストに大スターはいないし、アメリカ南部の奴隷問題という、日本人にあまりは馴染みのないテーマ。アメリカでは高評価だけど、正直どうなんだろうと思っていたが、予想を裏切る感動と勇気をもらった。
1960年代前半のアメリカ南部。作家志望のスキーター(エマ・ストーン)は上流階級の生まれ。彼女は、黒人メイド(ヘルプ)の存在が当たり前の地域社会で育ってきたが、大学を卒業して地元に戻り、幼馴染の女子友人達のメイドの扱いに違和感を覚える。白人社会に置かれたメイド達の現状を本にしようと、スキーターはエイビリーン(ヴィオラ・デイビス)やミニー(オクタヴィア・スペンサー)など身近なメイド達にインタビューを試みるが、応じてもらえない。真実を語ることは、南部において自分達の居場所がなくなることを意味しているのだ。しかし、エイビリーン達の固い決心を変えるような屈辱的な出来事が起こり、彼女達は危険を覚悟でインタビューを受ける決心をする。

観た人皆に元気をくれる映画だ。ストーリーもわかりやすい構成だし、少しずつ様々な出来事が重なり、クライマックスにまで持っていく。信念を貫けば、必ず道は開けるというありふれたメッセージではあるけれど、しっかりと感動させられる、グッド・スピリットに溢れた良心的な作品だと思う。

それを支えているのは見事な女優陣。これほどまでのレベルのアンサンブル・キャストを見ることも珍しい。メイドを演じたヴィオラ・デイビス、アカデミー賞助演女優賞を演じたオクタヴィア・スペンサーは、あらゆる映画賞にノミネートされまくっていたが、他キャストだって実力派ぞろい。ジェシカ・チャスティンやエマ・ストーンも今絶好調の若手女優だし、悪役のブライス・ダラス・ハワードも最近、個性がどんどん際立っていく。シシー・スペイセク、アリソン・ジャネイなどのベテランも脇をしっかり固めていたし、出演は短いが黒人女優のパイオニアであるシシリー・タイソンが非常に印象的。

また、意図的な美ではあるけれど南部の淑女達のファッションが美しい。映画の衣装が個性と身分を表象することを思い出させる良い例だと思う。

60年代に大きなムーヴメントがあっても、まだ人種問題は続いている。でも小さな力、それも女性であっても世の中は変えられることを改めて認識し、勇気が出た。仕事やプライベートで落ち込んだ時に、観るとゼッタイ元気になれる映画だ。(★★★1/2☆)

-アメリカの著名な映画情報・批評まとめサイト「ロッテン・トマト」では:76点

3月31日(土)TOHOシネマズ シャンテ ほか 全国ロードショー。

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