「あぶさん」と「サッポロ一番」 共通するロングヒットの秘訣とは?

AOLニュース / 2014年2月14日 12時0分

「あぶさん」と「サッポロ一番」 共通するロングヒットの秘訣とは?


元・東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大選手が海を渡り、華々しくニューヨーク・ヤンキースへの入団を遂げた2014年2月、一人の男が日本プロ野球界を去って行った。派手なことが嫌いな男だから、その去り際はいたって静かなものだったが、彼が日本プロ野球界に残した功績はあまりにも大きい。男の名は、景浦安武。福岡ソフトバンクホークスの背番号90。球史に残る偉大なるホームランバッター。水島新司による野球マンガ「あぶさん」の主人公である。

1973年に連載が始まった「あぶさん」は、最新号の「ビッグコミックオリジナル」にて、ついに最終回を迎えた。連載時期は実に41年間にもわたる。一つのマンガが41年も続くこと自体極めて稀だが、「あぶさん」とは景浦安武という一人の人間をリアルタイムで追い続けるというスタイルをとっており、その点も含めて考えれば41年という連載期間はまさに偉業というほかない。「あぶさん」ほどのロングヒットを続ける野球マンガは、おそらく今後も世に出ることはないだろう。

さて、ビジネスの世界に目を向けても、「ロングヒット」と呼ばれる商品はいくつも存在するわけだが、それらの商品ほとんど全てに共通する特徴が二つある。すなわち「パイオニア」と「リニューアル」である。

まずは「パイオニア」。既に似たようなライバル商品が多数ある中で新商品を出したところで、それはあくまでも数多くある商品の中での一つでしかなく、ロングヒット商品へと抜け出すことは難しい。ロングヒット商品を目指すのであれば、これまでの市場になかった特徴やサービスを含んでいることが必要である。つまり、これまでになかった何かを持った商品、言い換えれば、新たな価値観を顧客に呈示する商品でなければ、ロングヒット商品になることは難しい。

堂々たるロングヒット作品となった「あぶさん」もまた、野球マンガにおける「パイオニア」であった。主人公の景浦安武は、飲兵衛の、地味でやさぐれた男。華もなく、決してスターなどではない。しかも入団するチームは、当時まるで人気のないパ・リーグの南海ホークス。野村克也監督(当時)の直々の忠言により「飲兵衛は持続力は無いが、瞬発力はある」ということで、ポジションは代打専門である。あらゆる意味で、それまでの野球マンガの常識を覆した「あぶさん」は、連載当初から、明らかに野球マンガの「パイオニア」であった。

しかしロングヒット商品となるには「パイオニア」だけでなく「リニューアル」も必須である。商品を一切変えることがなければ、人気や売り上げはそこで頭打ちとなり、後発の商品にいつしか追い抜かれることは必須である。ではロングヒット商品にとって「リニューアル」とはどういう形であるべきなのだろうか。その秘訣は、1968年に発売された超ロングヒット商品、サンヨー食品の「サッポロ一番みそラーメン」に隠されていた。

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