イギー・ポップ、「絶賛されたり、売れたりするものはすべてクズさ」

AOL ミュージック / 2012年2月29日 16時0分

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ザ・ストゥージズとして、2010年にロックの殿堂入りしたイギー・ポップ。同年には、バンドの1973年のアルバム『Raw Power』のリイシュー盤もリリースした彼に、<Spinner>がインタビューを試みた。

Spinner: ヘンリー・ロリンズからカート・コバーンまで、多くのアーティストが『Raw Power』に多大な影響を受けたと思います。
イギー: 自分がボ・ディドリーとかを聴いて畏敬の念を感じていたように、同じことを感じた人たちがいるなんて不思議な気分だよね。ボは俺にとって偉大な存在だったから、自分へのほめ言葉を聞くと、彼のことを思うんだ。「ワオ、俺って今、ボみたいじゃん」ってね(笑)。お金とか人気とは関係ないんだ。何か違うものなんだよ。「オーケー、俺は(自分に対する)尊敬に見合うだけのことをやってきたんだ」って感じかな。

イギー・ポップ「Real Wild Child (Wild One)」

デヴィッド・ボウイが1973年に『Raw Power』で披露したミックスからは、何を思い出しますか?
自分が出したいと思っていたレコードの詳細は、かなりよく覚えているよ。デヴィッドは素晴らしいミックスをしたと思う。大きな問題は次のステップにあった。マスタリングにね。録音されたものがマスタリングされ、リリースされる。その段階まで来ると、もう単なる形式的な行為でしかなかったんだ。(当時は)マネジメントや製作会社なんてものはなかった。だけど、レコード会社は何かを出さなくてはならなかったんだ。そして正直なところ、当時の俺はマスタリングが何なのかをわかっていなかったのさ!

ストゥージズの最初の3枚のアルバムは、何度も(曲を)書いたり、リハーサルを繰り返していた。俺たちは少しずつ曲に取りかかり、それからレコーディングスタジオに持ち込んだんだ。"音楽を加工する" なんてこと自体、あまり理解していなかったってわけ。

デヴィッド・ボウイとの関係は、あなたのキャリアの中で大きな役割を果たしていますね。彼と一緒にやった1976年の「Station to Station」ツアーはどうでしたか?
現実世界で生きるのに自分が学ばなくてはいけない、たくさんのハードな教訓を習った最初の段階だった。(現実世界というのは)本当の音楽業界という意味だけど。まあ、「Station to Station」は素晴らしいツアーだったね。

ボウイとは今でも連絡をとっていますか?
いいや。連絡を取ってはいないけど、完全に音信不通になったわけでもない。奴の電話番号はどこかにあったと思うよ。デヴィッドとは長いこと話をしていないけど、そこから深読みすることは何もないね。

ロックの殿堂入りを果たしたことを、どう感じていますか?
(アメリカの漫画「ピーナッツ」に出てくる)フットボールをするチャーリー・ブラウンみたいなものかな。何度となくノミネートされるんだけど、誰も俺に「ノミネートされたいか?」なんて聞かないし。それから間もなくして電話が殺到し、「負けましたけど、今はどんな気分ですか?」なんて聞いてくるんだ(笑)。

そんなことが、自分の人生で何度も何度も起きるんだぜ! 6回目のノミネートのあとだと思うけど、俺は「わかったよ。『殿堂入りするのに、俺たちには何ができるんだ?』って言うよ」って吐き捨てたんだ。それから俺は、グラミー賞関係のイベントに顔を出したりしたのさ。(殿堂入りの)投票権がある人が見ていないかと、マドンナの曲をカバーしたりもした。音楽業界ではこういうのが幅を利かせるだろ?

グラミー賞に初めてノミネートされたときのことを覚えているよ。当時は1980年代だった。とても気恥ずかしかったね。俺を感心させるのは、カニエ・ウェストみたいなやつさ。「これは本当に大事なアワードで、最高の奴に与えられるべきなんだ! それが俺さ!」ってね。「カニエはよくわかってる!」って思ったよ。俺は音楽業界から長いこと疎外されていたからさ。"良い" なんて言われるものは、全部くだらない。表彰されるものは実に嘘くさい。売れる曲はクズだね。ロックスターは全然 "ロック" していないのさ。今でもそう信じているし、そう感じている。

あなたは「アメリカン・アイドル」でもパフォーマンスをしましたね。誰がこんな事態を予想できたでしょうか?
エージェントが俺に頼み込んだり、脅したりしたから出たんだ。「私はこの25年間で、(今回の出演依頼以外に)あなたに何かをお願いしたことはありません!」ってね(笑)。

だけど同時に、自分がやりたいと思わないとOKしないけどね。それはロックの殿堂と今回の「アメリカン・アイドル」の両方に言えることだよ。(「アメリカン・アイドル」への出演は)楽しかったよ。

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