ブルース・スプリングスティーン、SXSWで吠えるもやや空虚!?

AOL ミュージック / 2012年3月19日 17時0分

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3月18日までテキサスはオースティンで行なわれていた、全米最大の音楽見本市SXSW。ここに登場したブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドは、ウディ・ガスリー生誕100周年を記念し、アーケイド・ファイアや元レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロらとともにウディの名曲を披露していた。

そうそうたる面子による重厚なパフォーマンスで会場を揺らしたブルースと仲間達。ボスの咆哮はきっと天国のウディにも聞こえたはずだ。

だがもしかしたら、そのパフォーマンスはウディにとって、何か大事なものが欠けているように聞こえたかもしれない。

なんといってもアメリカは現在、最大の経済危機にあえでいる状態。昨年ウォール街に端を発し、各地で巻き起こった"オキュパイ・ムーヴメント"での大規模なデモは、困窮したアメリカ市民達がついに怒りを爆発させたことをもの語っていたし、いかに雇用、貧困がアメリカにとって深刻な問題となっているのかを世界中に伝えていた。そしてこのSXSWが開催された中西部のテキサスもまた、雇用や貧困、ホームレスの問題が深刻な州なのだ。

78年の名曲「バッドランズ」で、いかにブルースが過酷な労働に堪える労働者達の姿を歌おうとも、今の問題はむしろ仕事が無い人々の存在である。9/11を機に書かれた「マイ・シティ・オブ・ルインズ」すらも、どこか空虚に鳴っていた。何しろこのコンサート、音楽業界関係者やメディア関係者のみ招待された特別なショーだったのである。かつてパブリックエネミーが同じSXSWで「FUCK BUSH(ブッシュなんかクソくらえ)」を連呼しながら2万5,000人を引き連れて行進したときのような熱さはここには無かった。そして何しろ、ブルースのコンサートに足を運ぶのは、チケットを買えるほど金のある人々だけなのだ。

ブルースはいつも美しい詩で市井の人々の苦しみを力強く代弁してきた。そのスタンスは今もきっと変わらない。ただ、ブルースは今こそ、スタジアムではなく、ストリートで自分の音楽を鳴らすときなのではないだろうか。

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