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「隠れ重大病」の恐怖前兆(3)健診ではウイルス検査はない

アサ芸プラス / 2013年2月7日 9時58分

「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓。悪化しても症状が現れにくいせいか、健診では肝機能検査の項目はひときわ多い。そして、肝硬変や肝ガンを引き起こすのは、飲酒が原因というイメージが強いだけに、ついつい代表的なγ─GTPの数値ばかりに目を奪われがちだ。

 しかし、肝臓にも「隠れ重大病」が潜んでいる。

 医療ジャーナリストの松井宏夫氏はこう話す。

「肝臓病治療に先進的な病院で統計を取ったところ、肝硬変や肝ガンの原因でアルコール性肝障害と見られるのは、約15%と意外と少ないのです。最近では、非アルコール性脂肪性肝炎が増える一方で、徐々に減少しているウイルス性肝炎ですが、現在も肝硬変や肝ガンの原因の約65%を占めて1位なのです。そして、肝炎ウイルスを持っているか否かは、サラリーマンが受ける会社の健診では判明しないのが実情です」

 ウイルス性肝炎は、原因ウイルスの型によって複数に分類されるが、A型、B型、C型の3種類が症例のほとんどを占める。そのうち慢性肝炎を引き起こすB型とC型が、年間5万人の死者を出す肝硬変や肝ガンなどの原因となっている。

 B型、C型ともに血液を介して感染する。かつては輸血や注射針の使い回しによる感染ルートが多かったが、今では不衛生な環境も減っている。B型は母子感染がメインだったが、検査やワクチンにより減少しているという。それでも全国には肝炎ウイルスに感染していることに気づいていない人が100万人以上もいるとされている。それだけ自覚症状がなく、少なからず慢性肝炎となり「隠れ肝臓病」に発展してしまうのだ。それにしても、なぜ健診で検査を行わないのか。

 前出・松井氏が言う。

「性行為で感染することもあり、差別を生むことがあったために自己申告しなければ肝炎ウイルスの検査は行われないのです。しかし、会社が行う健診でも、希望すれば誰でも検査を受けられます。また、多くの地方自治体が無料で検査してくれるので、簡単に『隠れ肝臓病』は見破れます」

 かつては完治しないと言われたウイルス性肝炎だが、最近では治癒率も劇的に上昇しているという。恐れることなく、健診時には「肝炎ウイルスも調べてください」と言うべきだろう。

 とはいえ、ここまで見てくると、穴だらけの健診など受ける意味などあるのかと思えてしまう。

 ところが、前出・眞田氏はこう話すのだ。

「健診自体があなたの健康を守るものではありません。だからといって健診を受ける必要がないと考えるのはナンセンス。戦後から日本の平均寿命は2年間で約1歳の割合で延びています。要因は医療の発展と言えばそれまでですが、その発展にも積み重ねがあり、血圧を誰でもどこでも測れるようになるなど生活習慣改善への関心が高まったところから始まっているのです。健診は自分の生活習慣を見直す機会と考え、きちんと受けるべきです」

 自身の健康への関心がなくては、どんな人間でも「隠れ重大病」のわずかなシグナルを聞き逃してしまうことになるのだ。

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