農水省が激怒した中国の「ブランド和牛」泥棒“闇”ビジネス(3)すでに流出している可能性

アサ芸プラス / 2019年2月21日 12時55分

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 実は、以前より、和牛の受精卵や精液が日本各地の畜産試験場などから紛失する事件が起こっている。農水省関係者が明かす。

「09年には長崎県壱岐市で、最高ランクの和牛精液が入ったストロー状容器1300本が紛失し、その後の内部調査により、当時の畜産部長の指示により広島県の畜産業者などに渡したことが判明している。しかし当時、管理責任者だったJA壱岐市の男性職員が自ら命を絶ったこともあり、真相は藪の中に‥‥。すでに中国や韓国など国外に流出した可能性も否定できない」

 さらに、和牛の受精卵・精液の管理体制は驚くほどずさんだという。

「この長崎での紛失事件が発覚した直後に、農水省は全国各地のJAおよび畜産試験場での管理体制を調査したのですが、その大半は実数を把握していなかった。何千本もあり、マイナス196度の液体窒素に入った精液の数を正確に数えるのは非常に困難だったとは思いますが‥‥」(農水省関係者)

 先のヤクザ幹部も、管理体制の不備をあざ笑う。

「今回、大阪港から和牛の受精卵と精液が持ち出されそうになった事件でも、そもそもは中国の犯罪組織のメンバーが清掃員のバイトとしてどっかの畜産試験場に潜り込んで盗み出したって聞いてるよ。あと、受精卵と精液を所有してる畜産業者が中国人ブローカーにこっそり横流しするケースもあるってな」

 和牛の17年の輸出額は、前年を4割も上回る192億円。過去10年間で5倍以上に拡大しており、18年には200億円を超える見込みだ。日本にとって重要な輸出産業における由々しき事態に、ある畜産関係者は苦々しい心境を吐露する。

「もしも中国でニセモノ和牛が生産されるようになり、中国国内だけでなく、世界各国に輸出されるようになったら、日本の和牛ブランドは一気に衰退しますよ。それこそ生産している畜産農家は死活問題、大打撃ですよ」

 しかし覚醒剤や拳銃とは違い、現状では和牛の受精卵および精液の国外への持ち出しを処罰するには、管轄の農水省などが刑事告発を行うしか方法はない。それでも、一般的に動物の受精卵や精液の持ち出しは悪質性の証明が難しく、刑事告発に至らないことが多いのだ。

 農水省に話を聞いた。

「1月29日に家畜伝染病予防法違反の疑いで、自称大阪府在住の日本人男性を大阪府警に刑事告発し、受理されました。今後は、空港や港などでの検査体制のいっそうの強化および、和牛の受精卵や精液を持ち出した場合の罰則を強化するよう、関係各所に要請していきます」(消費・安全局動物衛生課の担当者)

 日本人の畜産農家の努力の結晶でもある「和牛ブランド」。コピー大国・中国への流出はなんとしても阻止しなければならない。

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