零細企業助成金廃止で「社員総アルバイト時代」に(4)女性の社会進出はまやかし

アサ芸プラス / 2013年6月13日 9時58分

 実は安倍総理はこのような助成金制度撤廃のその陰でもう1つ、サラリーマンに対する巧妙なワナをひそかに仕掛けようとしている。いや、正確に表現するならば、それは「サラリーマン世帯に対して」と言うべきかもしれない。

 ズバリ、6月第1週に発表予定のロードマップ草案に盛り込まれる「女性労働力の積極活用」だ。

 これは女性を積極的に採用する企業に対して、この目的に特化した助成金制度や優遇税制を新設するというプラン。しかし「女性の社会進出」などという耳ざわりのいい宣伝文句にダマされてはいけない。

 その正体は前述した助成金制度の縮小や廃止とセットでサラリーマン世帯を「労働地獄」に突き落とす、金メダル級のハメ技なのである。最近になってアベノミクスに根本的な疑念を抱き始めた自民党の有力議員は、

「安倍総理は、雇用調整助成金や中小企業緊急雇用安定助成金の縮小や廃止で浮いたカネを新たな助成金制度や優遇税制にそっくりつぎ込もうとしている」

 としたうえで、次のように耳打ちするのだ。

「確かに、少子化の進展で女性労働力の市場導入なしに経済成長は望めないという議論はあるが、これは表向きの話。安倍総理の本音は、助成金廃止と失業による中小零細企業社員の“アルバイト転落”で激減する夫の年収を、働きに出た妻に支えさせる、という構造改革にある。正社員だった世帯主の総アルバイト化がいかに悲惨であるかを最もよく知り、場合によってはその激憤が政権を揺るがしかねないことを最も懸念しているのは、実は安倍総理自身なんですよ」

 もちろん「女性の社会進出」という美名の下、妻たちが手にできるのもまた、パート労働である。正社員から“強制転職”させられたアルバイトの夫と、家計を支えるため“強制労働”に駆り出されるパートの妻‥‥。まさに「世帯主」という言葉すら死語となる「強制共働き時代」の到来である。この有力議員が続ける。

「その一方で経済は成長し企業も成長するため、たとえアルバイトであっても見かけ上の雇用者数は増え、失業率も下がっていく。そして高笑いするのは企業に正社員として残るスーパーエリートと、株価と配当金の上昇で潤う投資家だけという構図です。経済も成長してるじゃないですか。雇用だって増えているじゃないですか──。国会で意気揚々と質問に答える安倍総理の姿が目に浮かぶようです」「助成」と「女性」で日本の社会を根底から破壊しようともくろむ安倍総理。もはやシャレにもならない愚策である。昨年暮れの総選挙前に唱えた「瑞穂の国の資本主義」は、すっかり影を潜めてしまった。

 

◆ジャーナリスト 森省歩

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