横浜流星「シロクロ」、謎ばかりが残るも視聴者受けが良かったワケとは?

アサ芸プラス / 2020年3月17日 17時59分

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 横浜流星と清野菜名がダブル主演したドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(日本テレビ系)が3月15日に最終回を迎え、視聴率8.4%で幕を閉じた。終わってみれば初回の9.5%をピークに平均視聴率は8.1%と物足りない結果に終わったものの、前クール「ニッポンノワール」の6.9%は上回り、制作局の読売テレビもなんとか体面を保った形と言えそうだ。

 その「シロクロ」では当初、清野の演じるミスパンダと横浜の演じる飼育員さん(横浜)が、グレーな事件に白黒をつけていく痛快アクションドラマの体を取っていた。それを縦軸に、警察官だった父親を殺害された横浜の復讐劇、そして放火事件で亡くなった双子の妹と人格を入れ替えられた清野の自分探しが折り重なり、すべての謎に白黒をつけることで大団円を迎えると予想されていたのである。

「ところがふたを開けてみれば、復讐も自分探しにも一応の決着はついたものの、最後は精神医学を学ぶ横浜が清野の記憶ばかりかみずからの記憶すらも消し去り、二人が惹かれ合っていた過去を抹消。それも含めてあらゆるディテールがウヤムヤにされ、白黒どころかグレー一色に塗りつぶされたのです。この日曜ドラマ枠では物語の背景や伏線を探る“考察”に没頭する視聴者が多いものの、本作ではあまりにご都合主義な設定が目につき、途中から考察を放棄する視聴者も少なくありませんでした」(テレビ誌ライター)

 最終回の冒頭では、誤って清野の腹を刺してしまった横浜が入院中の清野を毎日見舞っている様子を放送。しかし普通なら腹を刺された患者が担ぎ込まれたら病院が警察に通報するはずだ。また、横浜の父親を射殺したのは佐島源造議員の長男だったが、なぜ拳銃を持っていたかの説明は皆無。そして囲碁棋士の少女である清野が、ミスパンダになるとなぜ警察官にも勝つほど格闘術に長けているのかの理由も不明で、最後まで多くの謎が回収されないままだったのである。

 にもかかわらず、視聴者からはディテールの甘さを問題視する声はほとんど聞かれず、記憶を消された横浜と清野がパンケーキ店で隣同士に座るというラストシーンにときめく者も続出。消化不良とも言える最終回になぜ、さほどの不満が出ないのだろうか。

「視聴者が満足した理由は二つありそうです。一つは、この日曜ドラマ枠で1年ぶりに後味の悪くないラストを迎えたこと。3作前の『3年A組』ではガンで余命いくばくもない高校教師(菅田将暉)が命がけで世間に対して問題提起をする場面が感動を呼びました。それに対して前々作の『あなたの番です』では次々とマンション住民が殺され、その殺害理由にも救いがないことから後味の悪さが残ることに。そして前作の『ニッポンノワール』では主役・賀来賢人の演じるサイボーグ刑事がラストシーンで撃たれ、死んだのかどうかもわからないという不透明な終わり方が不評だったのです。一方で『シロクロ』では主役の二人が新たな恋を始めそうな予感で幕を閉じたことにより、視聴者も納得できたのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 それに加えて、主役二人の描き方も視聴者をうまく誘導したというのだ。テレビ誌ライターが続ける。

「本作はダブル主演の体を取っているものの、実際の主役は横浜であり、やたらと上半身マッパで体を鍛えるなど女性ファンを意識した演出が目立っていました。それに加えてお相手の清野がフェロモンを出すタイプではないためか、最終回のキスシーンでも清野に対する恨み節は少なく、女性視聴者は横浜との疑似キス体験ができた模様。そしてラストシーンで横浜と改めて恋を始められるという少女マンガのような展開も用意され、満足できたに違いなさそうです」(前出・テレビ誌ライター)

 ラスト2話では泣き、怒り、悔やむという幅広い演技で女性視聴者を魅了していた横浜。数字的にはイマイチだったものの、役者としての成長を果たした作品として「シロクロ」の評価はまずまずという結果になりそうだ。

(金田麻有)

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