離婚アドバイザーが明かす“大震災で壊れた夫婦たち”(1)「震災地域の土地問題も重なり…」

アサ芸プラス / 2014年3月11日 9時56分

 東日本大震災直後、「震災婚」という言葉が流行った。が、実は震災を機に結ばれたケースより、この3年の間に離婚したり、危機的状況に陥った夫婦のほうがはるかに多いという。被災地だけにとどまらず噴出している、震災が原因で「壊れてしまった」夫婦たちのドロドロの愛憎劇をレポートする。

「言いたいことや不満は山ほどあるけど、離婚せずに何とか添い遂げようと自分に言い聞かせてこれまでやってきた。でも、震災の折、夫が見せた態度には我慢がならない。あの人には思いやりや優しさ、親切心がないのか‥‥。震災を経験したことでむしろ、今まで目をそらしていた問題に正面から向き合い、離婚に至るカップルが少なくありません」

 こう語るのは夫婦問題研究家の岡野あつこ氏だ。

 未曾有の事態に遭遇した時に見せた配偶者の本性が一瞬にして夫婦の絆を断ち切ってしまうのだという。

 被災地での離婚相談にも携わってきた離婚問題アドバイザーの露木幸彦氏もこう言う。

「被災地の相談者の中には農地をお持ちの方も多くいらっしゃいます。福島県では、家の畑の放射線量を測定したら、とんでもなく高い数値が出たため、驚いて子供を連れてさっさと他県にある実家に帰った女性も少なくありません。夫婦で話し合った結果、避難するならともかく、問答無用で実家に帰り、生活費だけ請求すると、夫にも不満が残ります。そういう生活が続くと、やがて離婚に至るケースもあるのです。中には、放射能を避けて東京に避難した妻の実家を『一度会って話し合いたい』と、アポなし訪問して門前払いを食わされた夫もいました」

 こうしたケースがある一方で、熟年離婚するはずだったカップルが震災で白紙に戻ってしまったケースもある。露木氏が続ける。

「福島県内の不動産価値は軒並み急落しています。私が相談を受けたカップルの場合、夫人が老後の資金として不動産を売り払うつもりでしたが、二束三文でしか売れないとわかったため断念。熟年離婚の計画も立ち消えになりました」

 ということは不仲の夫とこれからも一緒に暮らすことになるのかといえば、「このケースは二世帯住宅ですので顔を合わせることはなく、気まずい家庭内離婚は避けられそうです」(露木氏)というのだが‥‥。

 一方、震災を機に破綻しかけていた夫婦関係を修復しようとする夫はかなり多いようだ。

 朋子さん(39)=仮名=には3年前に離婚した前夫がいた。その前夫が震災をきっかけに連絡を取ってきた。前夫は、震災後に助け合う近所の友人夫婦を見て、「もう一度家族の絆を結び直して子供の成長を見届けたい」と思ったのだ。

 その後、前夫はたびたび朋子さんと面会。思いの丈をぶつけた。だが、

「お互いの存在がいかに大きいか今わかった。十数年の結婚生活は決してムダではなかったはずだ」

 と、前夫が熱弁を振るうほど彼女の気持ちはシラけるばかり。前夫は離婚後、養育費も渡さず、子供にも会おうとしなかったからだ。朋子さんは前夫に言った。

「あなたの息子への気持ちはわかったけれど、それはやっぱり養育費という形で示してほしい」

 かくして、前夫は震災後、養育費をきっちり支払うことになった。

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