スポーツ紙が書かないプロ野球“裏相関図”<パ・リーグ編>(2)「ソフトバンクのえげつない補強の行方は?」

アサ芸プラス / 2014年4月2日 9時57分

 今季から、伊原春樹監督が率いることとなった西武は、選手補強ではやられっ放しだ。涌井をFAでロッテに手放したほか、片岡治大も巨人に引き抜かれた。そればかりか、デニス・サファテをソフトバンクに、ヘルマンをオリックスに持っていかれる始末。補強といえば、森本稀哲と涌井の人的補償で入団した中郷大樹ぐらいだ。

 5年間V逸の渡辺久信に代わって伊原を起用したのは、球団本部長の鈴木葉留彦だ。伊原は監督就任早々、「茶髪・長髪の禁止」を打ち出すなど、堤義明オーナー時代を彷彿とさせる管理野球でチームの引き締めにかかった。

 しかし、これに異を唱えたのが、体裁を重んじる西武ホールディングスの後藤高志オーナーだった。「西武からFAで選手が出ていくのはフロントがしっかりしてないからだ」と激怒した後藤は、率先して岸孝之や栗山巧、故障明けの中村剛也に長期契約を打診。FAの可能性のある捕手・炭谷銀仁朗の後釜として、森友哉をドラフト1位指名するなど、チーム改革を主導した。さらには、伊原──鈴木ラインを牽制する意味で、ロッテからあえて袴田英利をチーフコーチとして迎えた。法大時代に江川卓とバッテリーを組んでいた袴田は、球団社長の居郷肇とは同級生という関係もあって声がかかっただけに、煙たい存在だろう。

 では、昨シーズンはふがいない成績に終わったソフトバンクはどうか。格下のはずだった楽天の三木谷浩史オーナー率いる楽天が日本一の座を奪った直後だけに、リーグ制覇になみなみならぬ意欲を持って今シーズンに臨んでいる。

 もともと、三木谷オーナーは、新興球団のオーナーからは毛嫌いされている存在だった。会社創業50年を迎えるオリックスの宮内義彦オーナーは、経済同友会などに批判的な三木谷を快く思っていない。

 さらに、ソフトバンクの孫正義オーナーにいたっては何でも一番でないと気が済まない人だ。V逸のソフトバンクはなりふりかまわぬ補強に着手。「いくら金をかけてもいいから戦力が足りないなら集めなさい。金をかける以上は絶対に勝ちなさい」と、孫オーナーがハッパをかけた結果、ソフトバンクの小林至海外兼中長期戦略担当部長(本部長)の言う「他球団から批判を浴びようが、えげつないほど補強をした」というのだ。

 新戦力は、投手ではウルフを日本ハムから、中田賢一を中日、スタンリッジを阪神、岡島秀樹をメジャーから、サファテを西武から獲ると、捕手では鶴岡慎也を日本ハムから呼び寄せた。野手ではオリックスから李大浩と空前の大補強。これで勝てなければ、秋山幸二監督の更迭はもちろん、王貞治球団会長が、秋山から小久保裕紀へと今後の幹部人脈を路線変更する可能性もある。そうなればホークスの源流が変わり、旧ダイエーから、ソフトバンクモバイルの勢力がチーム内で幅を利かせそうだ。

◆スポーツライター・永谷脩

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