DHC会長「武闘派フィクサー」のケンカ人生(1)窮地に立たされた渡辺喜美氏

アサ芸プラス / 2014年4月15日 9時52分

 フィクサーと呼ばれる人物数いれど、ここまでの武闘派はそういない。DHC会長のことである。“裏金8億円”の告発で、戦う野党党首もすっかり見る影がなくなってしまった。しかし会長の怒りを買えばヤバくなることはわかっていたはずだ。何せ会長は常に“ケンカ上等”の生涯を送ってきたのだから‥‥。

 信義に背いた者は絶対に許さない──。

 ヤクザの親分の言葉ではない。これが株式会社ディーエイチシー(以下、DHC)会長・吉田嘉明氏(73)の矜持なのではなかろうか。そう思わせるほど「週刊新潮」4月3日号に寄せた独占手記は強烈な内容であった。

 09年にみんなの党代表の渡辺喜美衆院議員(62)と出会った吉田氏は、〈官僚機構の打破〉という一点で意気投合。当時、自民党を離党したばかりの渡辺氏を支援し始める。結党時から資金援助を惜しまなかった吉田氏は、10年の参院選前に3億円、12年の衆院選前に5億円を提供する。

 しかし、これは正規の献金ではなく、渡辺氏の個人口座に振り込まれた“裏金”だった。当然、渡辺氏は政治資金収支報告書にも資産等報告書にも記載していなかった。そのため、各種法令違反に当たり、8億円のうち約5億5000万円は未返済であることから、脱税疑惑まで浮上している。

 その後、吉田氏は新聞やテレビの取材に答え、証拠のメールを提示。渡辺氏も会見で個人的な借金と反論するが、使途に関しては「熊手購入」などという説得力のカケラもない珍奇な弁明に終始した。

 そのため、怒り心頭に発した吉田氏は「週刊新潮」4月10日号で手記第2弾を発表。詐欺罪での告訴も辞さないと宣戦布告したのだ。

 DHCといえば、化粧品通販の大手企業として知られているが、サプリメントなどの健康食品以外にも下着や出版、教育事業など多くの事業に進出している。非上場ながら、13年7月期決算時の年間売り上げは約1138億円。株式の大半を吉田氏が所有しており、相当な金持ちであることは間違いない。手記では、20億円の資金提供を要請され、貸すつもりだったというから驚きである。

 優良なタニマチが渡辺氏を見限る契機となったのは、手記によれば日本維新の会との連携解消だという。江田憲司氏(57)がみんなの党を離れ、結いの党を結成するに至って、渡辺氏は予算委員会の委員ポストを結いの党に渡そうとしなかった。こんなありさまでは渡辺氏はとうてい、官僚とは戦えないと吉田氏は〈覚悟〉を決めたのだ。

 それほど吉田氏の官僚嫌いは筋金入りである。

 DHCのHP内の採用情報に掲載された会長メッセージには、同社が必要としている人材を紹介する中で〈東大を出ているから知恵があると思うのは大間違い〉と暗に官僚批判を展開。同HP内の会社概要の会長メッセージでは、より明確に痛烈な批判を発している。〈国家公務員の数を大幅に削減し、民間並みに降格、クビ切りを採用する。税金を湯水のように使っている天下り先(略)を徹底的に潰していく〉。さらには、〈国のやることは頓珍漢なことばかり〉と政府にも矛先を向け、業界内の規制も批判。最後にこう結んでいる。

〈政治家の中にも(略)この国を真剣に憂慮している人たちはいます。(略)平成の坂本竜馬を手助けしましょう。竜馬も薩摩藩の財政的支援がなかったら明治維新の礎を築けなかった〉

 竜馬は大政奉還直後に暗殺されたが、竜馬になりえない〈度量の小さい〉野党党首など、吉田氏にしてみれば一太刀の価値もなく、手記一筆で十分だったのだろう。

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