菅原文太「最後の主演作」を巡る高倉健との“奇縁”

アサ芸プラス / 2014年12月4日 9時59分

 11月28日に亡くなっていたことがわかった菅原文太(享年81)。同時代を生き、ともに、「男」を演じる名優として並び称された高倉健(享年83)に続く訃報だっただけに師走の日本に衝撃を与えたが、2人の共演している映画は10本ほどと当時の映画製作本数を考えるとそれほど多くない。そこには両者の似ているようで似ていない方向性の違いもあったようだ。

 2人が共演しているもので特に有名な作品は、「山口組三代目」(73年)と「神戸国際ギャング」(75年)。

 どちらも主演は高倉だったが、「神戸国際──」が公開されて以降、高倉はヤクザ映画からの脱皮を模索していたようで、ほどなくして「幸福の黄色いハンカチ」で国民的評価を得る。その後はヤクザがらみの役柄といっても、ヤクザの過去を背負った陰のある男、というものが多かった。

 一方の菅原は高倉が「幸福の──」に主演した77年にシリーズ第1作、翌年まで計3作が作られた「日本の首領」シリーズのほか、「総長の首」(79年)「制覇」(82年)でも現役ヤクザ役を迫力満点に演じている。

 そして、実写映画としては最後の主演作となった「わたしのグランパ」(03年)では、刑務所帰りの侠気あふれる老人が、中学生の孫娘の身にふりかかるトラブルを解決していくという、昔ながらの侠客をほうふつとさせる役柄を好演しているが、映画ライターが明かす。

「実は、この役、当初はこの主演の老人役には高倉がイメージされていたそうなんです。実際にどの程度詰められていたかはわかりませんが、今思えば、後年の高倉がこうした古きよきヤクザのような面を描いた作品をオファーされていたとしても、断っていたであろうことは想像に難くありません」

 ちなみにこの作品は、今をときめく石原さとみの映画デビュー作。まだ十代半ばの初々しい演技も見どころの一つだが、菅原の役どころを高倉が演じていたらどうだったか…などと想像しつつ「追悼鑑賞」してみる価値もありそうだ。

アサ芸プラス

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