「政界“怪”人プロファイリング」 ー山口那津男ー

アサ芸プラス / 2014年12月14日 9時55分

◆今週のキーマン:山口那津男〈やまぐち・なつお〉(公明党代表)●52年生まれ。茨城県出身で、納豆が大好物。09年9月、太田昭宏氏の後任として党代表に就任。モットーとする「至誠一貫」は出身高である水戸一高の校訓。

安倍政権の命運を握る党NO1の頭脳派

 今回の総選挙で安倍政権存続の命運を握っているのが公明党だ。とりわけ、その舵取りを担っている山口那津男代表の出方に注目である。

 この15年、民主党政権時代を除き、公明党は与党として自民党政権維持のパートナー役を演じてきた。その最大の「貢献」は、自民党に対する「選挙協力」にほかならない。公明党は295選挙区それぞれに、支持母体の創価学会票を中心に、平均約2万5000票を持っている。この票がこれまで「推薦」という形で自民党候補を下支えしてきたのである。この票がそっくり野党の候補に回った場合、実に自民党は約70の議席減となるという計算がある。計算上でいえば、今回の総選挙で公明党がソッポを向き、自民党が70議席を失うということになれば、安倍政権はスッ飛び、自民党はまたまた政権の座からすべり落ちるということになるワケだ。つまり、自民党政権の生殺与奪を握っているのが公明党、また山口氏ということである。

 ためか、公明党もナカナカしっかりしている。恩を売って、しかし取るものは取るのである。特定秘密保護法では無念、自民党に押し切られたが、集団的自衛権行使容認閣議決定の過程ではひとまず「限定的」を取り付け、先ごろ決まった消費税率10%の平成29年4月への先送りでも、食料品など日用必需品に「10%」を除外する軽減税率の導入を実行すると、今度の「自公」両党の共通選挙公約で高々と謳っている。

 一方、滋賀と沖縄の両県知事選では、安倍総理の「右舵全開」に公明党支持層は反発、選挙協力が相当に緩んでいることが明らかとなっている。今回の総選挙でも、現状のメディアの大方は「自民党圧勝」を予測しているが、いざフタを開けたら選挙協力の緩みが修復できていずで、想定外の結果もなきにしもあらず、ということである。

 党結成から今年で50年。「平和の党」と「中道」を政治理念としてきた最近の公明党は、政権の「ブレーキ役」を自負しているものの、あいまいさが否めない。都々逸の♪どこまでもついていきます下駄の雪 ではないが、「実利」を求めるあまり「補完勢力」視されている中、「党NO1頭脳派」とされる山口代表の責はことのほか重い。

 青年時代の山口氏はむしろ政治に嫌悪感を抱き、弁護士になった。しかし、昭和63年に発覚した「リクルート事件」の政治とカネの腐敗ぶりに衝撃を受け、あえて政治家への道を選んでいる。公明党議員から次のような「横顔」が聞かれる。

「正義感の強い、ブレのないリベラル派で通っている。人前で激したのを見た人がいない。柔らかい物腰だが、芯の強さは相当なものがある。集団的自衛権行使容認問題でも元々、距離感のある安倍総理とソツなく渡り合い、かろうじて『平和の党』の看板を守ってみせた。話を聞いていると、頭の良さがビンビン伝わってくる。大臣になっても失言などは全く心配のない人物だと、太鼓判を押せる」

「自民圧勝」が現実となった時、党の存在意義をどう保持するのか。9月の代表選で4選の長きを果たした頭脳派の真価が問われている。

◆政治評論家・小林吉弥

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