みのもんた「連載最終回ということでこの1年を振り返る」(2)

アサ芸プラス / 2014年12月21日 9時55分

 今の日本を見ていると、尾崎紅葉の小説「金色夜叉」の一説を思い出す。熱海で貫一がお宮を蹴飛ばしながら、「お前、ダイヤモンドに目がくらんだな」と言うセリフだよ。

「円安だ、株高だ」と喜んでいる人を見ると、そのセリフを言いたくなる。まさに、日本には目先の利益に目がくらんだ夜叉ばかりになっちゃった。

 もちろん、そうじゃない人もいた。沖縄の大義のために沖縄県知事選を戦い、そして勝利した翁長雄志知事。本当にスカッとしたもんだよ。相手の仲井眞弘多氏が「500億の助成金を引っ張ってきたのは俺だ」と言わんばかりの選挙戦をやっていた。まさに、ダイヤに目がくらんだ男の最後だった。ザマアミロ!

 ただ、実際には、ダイヤに目がくらんだのは仲井眞氏だけじゃないんだ。ここでも書いたけど、毎年の夏は沖縄で過ごしている。すると、いろんな話を聞く。辺野古の埋め立てで、補償金をもらって「これで2年間は遊んで暮らせる」なんて喜んでいる人がホントにいるんだよ‥‥。今の沖縄の海を子や孫に残すより、2年ぽっちを遊んで暮らすほうを選んでしまう人が!

 何も沖縄だけじゃない。日本全国、そこかしこに夜叉がいる。せめて、その助成金や補償金を有効に使うことを、頼むから考えてくれよ。病院や診療所を造るとか、テメエたちが年取った時に、子や孫に迷惑かけないような施設を造ろうとか考えないものかね?

 この連載を読んでくれた皆さんには、ダイヤに目がくらまないように生きてほしいね。不景気な時に、目先の利益をチラつかせてくるヤツは怪しいに違いないんだから。

 昔に比べると、今の人たちは金持ちをうらめしく思うことが強くなっている。ふだんから「なぜ俺だけ貧乏なんだ」「あんな野郎が金持ちだから、俺ばかり‥‥」と考えてしまう。だから、目の前に突然、金が降ってきたら飛びついてしまう。

 これからの日本人は、もっと“美徳”を磨いていかないと。例えば、キチンと汗を流して働いて、それに対する対価を得る、そして、そのことに喜びを感じながら、得た金を上手に使う。本来、日本人はそういう生き方をしてきたんだと思うんだ。

 私も若い日は負けが続いていた。本当にアナウンサーの仕事をもらえるようになったのは、ほんの20年前で、遅咲きもいいところ、50歳の頃だよ。空振りに終わる努力をしても、腐らずにひたすら自分を信じてきた。そして、稼いだ金は酒に使っている(笑)。本当は女房への孝行に使いたかったけどね‥‥。

 そんなわけで、皆さん、まず稼いだ金は今後ともアサ芸を買うか、私の新著を買うために使ってよ(笑)。

 では、次回はテレビでお会いしましょう!

◆プロフィール みのもんた 1979年に文化放送を退社後、フリーアナとなる。以後、数々の番組で司会、キャスターを務める。1週間で最も生番組に出演する司会者のギネス記録保持者でもある。

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