医師・帯津良一の健康放談「検査結果が健康の証しではありません」(2)

アサ芸プラス / 2014年12月28日 9時55分

 メニューは生ビール1杯と、両面焼きで固く焼いた目玉焼き1個、最後は生のオレンジジュース。みんなそのメニューを覚えています。私が入ると席に案内してくれた店員さんの後ろに生ビールを持った店員さんが立っているほどです。

 土日は昼もビールを1杯。講演やシンポジウムに出ると、かなり豪勢なお弁当が用意されているんですが、あれ私、嫌いなんです。カレーでもラーメンでもいいから、食堂へ行って食べるほうが好きなんですよ。お弁当は喉を通らない感じがするから「ビールを付けてくれないとダメだ」とお願いしてあるんです。予定がない週末でも通いつけのお店に行って、生ビールを1杯。これもまたこたえられないですねぇ。

 お酒を「飲む」ことが私の生命が躍動する瞬間です。アルコールが肝臓に悪いからといって、飲まないという選択はしません。γ-GTPの数値も、お酒を飲んでいる時は忘れています。

 私は「晩酌こそ生きがいだ」と思って生きています。だから毎晩、ときめいて飲むわけです。土日はそのうえに朝と昼、「あぁおいしいなぁ‥‥」と思いつつ一息つける。これが最高なんですよ。

 西洋医学の検診は人間の体を局所や部分で切り取った値です。肝臓、脂肪、腹囲、血液‥‥しかしそれが全てでしょうか? 私はそうは考えません。人の体には多くの器官があって、互いに連携をしている。臓器の間には隙間もある。いわゆる「西洋医学」はそうした「つながり」や「隙間」に対する解答を持っていないのです。しかし検診の数値が悪かったとしても、生命の躍動を自分にもたらしてくれるものは、日常生活に積極的に取り入れるべきです。生き生きと、ときめいて生きるというのが一番の健康で、数字なんかはどうでもいい。

 患者さんの中には、中性脂肪値が平均より高くて「どうしたらいいですか」とクヨクヨ悩む人もいます。140mg/dLぐらいが正常値のところを、180~190mg/dLで悩むんです。だから私は言うんですよ。「私は900mg/dLあることもあるよ」と。さすがに常にこの値というわけではありませんが、中性脂肪値は食事に影響されます。粗食にすれば、必ず数値が下がってきます。

 だからといって粗食ばかりでは寂しいでしょう? 今までどおりの生活をしながら少しでも下がってくればと思いまして、後輩の脂質代謝の専門家に聞いたんです。「どうしたらいいですか?」と。そうしたら、「大丈夫ですよ」の、ひと言で終わりです。

 最近、私は「今日が最後だ」と思って生きていますから、毎食が“最後の晩餐”です。もうこれで死ぬんだから、何を食べてもいいと、ときめきながら食卓につきます。大いに食べて喜ぶ。数値に捉われてクヨクヨ生きるよりは、生き生きとときめいて生きたほうが健康なんです。この連載でお伝えするのはそうしたことです。次回は、私の目指すホリスティック医療についてお話ししたいと思います。

◆プロフィール 帯津良一(おびつ・りょういち) 医学博士。東大医学部卒、同大医学部第三外科、都立駒込病院外科医長などを経て、帯津三敬病院を設立。医の東西融合という新機軸をもとに治療に当たる。「人間」の総合医療である「ホリスティック医学」の第一人者。

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