「オウムの迷宮」総力スクープ(5)海パンカメラマン野澤亘伸が明かした地下鉄サリンの痛恨体験 「散布直後の車両に乗ったことに気づかず…」
アサ芸プラス / 2012年1月28日 10時56分
グラドル以上のキワドイブーメランパンツで被写体に迫る。そのモッコリ姿のおかげで、「海パンカメラマン」の異名を持つ野澤亘伸氏(43)。実は、地下鉄サリン事件の被害者でもある。そして、平田容疑者の逮捕を受けて、痛恨の記憶がよみがえってきたのだ。
95年3月20日、当時の野澤氏は写真週刊誌「FLASH」の専属カメラマンとして活躍していた。この日は、オフで知人宅を訪ねるため、早朝に自宅を出た。そして、営団地下鉄(当時)丸ノ内線に始発駅である池袋から乗車した直後、異変に直面したのだ。
野澤氏が回想する。
「通勤客で満員の車中でしたが、周囲の通勤客がせき込み始めたんです。私も喉ぼとけをグリグリ押されるような、強烈な痛みを感じました。すると、視界も暗くなり、読んでいた新聞の文字さえ読めなくなりました。そして気づいたら、本郷三丁目駅で緊急停止していたんです」
野澤氏が乗り込んだのは、オウム真理教がサリンを散布した車両だったのだ。実行犯の横山真人死刑囚(48)が新宿駅から乗り込み、四ツ谷駅でサリンを散布。そのまま、運行を続け、池袋で折り返した車両である。約200人の重傷者を出したが、唯一、死者が出なかった車両でもある。
「緊急停止したあと、知人宅にどうやって行ったのかは覚えていないんですが、そこで大事件だと知り、慌てて自宅に戻ってカメラを取り、現場に向かいました。結局、病院へ行ったのは、深夜になってからでした。医者からは収縮した瞳孔が『ピンホールのようだ』と言われましたね。それよりも、今回の逮捕で思い返すのは、緊急停止した直後のことです。私の2メートル先で駅員がサリンをチリトリのようなもので除去していたんです。駅の売店で『写ルンです』が売っていた時代なのに、なぜ撮影しなかったのか‥‥」(野澤氏)
平田容疑者の逮捕で、野澤氏の脳裏によみがえるのは、サリンの恐怖などではなかった。カメラマンとしての悔恨の情なのだ。
「悔しい思いをしたからこそ、その後はどんな状況でも、ビビらずにシャッターを切ってやろうという根性が芽生えましたね。今の自分があるのは、あの事件があったからとも言えます。海パン姿? これは関係ないですね(笑)」(野澤氏)
女性を撮影する仕事がメインとなった現在も、野澤氏は報道出身ということを忘れていない。昨年の東日本大震災でも、現場に急行して、スクープ写真を撮影している。
「オウムの教団幹部が逮捕されるたびに、送検の現場で撮影していたから、思い入れはあるんですよね。もちろん、平田容疑者をはじめ、逃亡犯もずっと気になっていました」(野澤氏)
海パンカメラマンのレンズは、再びオウム事件へと向けられそうだ。
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