東電本店「150時間映像」が語る重大新事実!TV・新聞が伝えない3・11緊迫事態の全貌(3)
アサ芸プラス / 2012年9月7日 10時58分
「目に余る報道に対処する」
要はこのやり取り、前日に1号機が水素爆発したことで、むき出しになった同機の使用済み燃料プールの水温が上昇しているが、水の確保もままならず冷却のしようがない。そこで上空から水を散布するという方法を考えているシーンだ。当時はまさに福島第一原発を危機に陥らせた津波による非常電源喪失の結果として、全交流電源喪失状態が続いたままなのだ。
この議論はその後も続く。
オフサイトセンター 今の1F1(福島第一原発1号機)のプールの話は、他のプラントもみんな同じだと思う。冷却がない状態が続いているのだから。残りの他のプラントについても何か入れる方法がないのか、頭の体操をしなければならないのでは。
吉田 おっしゃるとおりだと思う。共用プールも含めて。
オフサイトセンター まだ湯気が立っていないのであれば、2号、3号に入っていけるのであれば、手で水をブチ込むことを考えていかなければ。
オフサイトセンター 氷をブチ込む。
本店 氷とかドライアイスとか何でもブチ込む。
オフサイトセンター 建屋の中にあるプラントは少なくとも氷をブチ込めるかもしれない。「氷をブチ込む」とは何とも原始的にも聞こえるが、実は、関西電力大飯原発1号機などでは、現在でも格納容器内の圧力上昇に対応するために周囲に大量の氷が用意されており、決してとっぴとは言えない。
だが、電源がないなどの事情で、それを人力でやることを考えねばならなかったのが当時の福島第一原発の切迫した状況を表している。
一方、1号機とその燃料プール以外にも13日早朝に新たな問題が浮上した。それまで3号機で作動していた非常時の炉心冷却装置の1つである原子炉隔離時冷却系(RCIC)による注水がうまくいかず、冷却が不能になりかけていたのだ。東電はこの危機を乗り切るため格納容器のベントを午前9時過ぎに実施した。
このことは広報部を通じてマスコミ各社に伝達されたが、同日の午前11時頃の会議でこのことを報告した広報部担当者が、追加で次のように口走った。
「あと、日曜日の朝のテレビ局の報道ぶりが非常によくないという情報が入っておりまして、特にTBSの『関口宏のサンデーモーニング』でですね、『東京電力は何もやってない』というような言いっぷりが出されたようですので、営業ルートで今すぐ抗議しております(中略)。その他にも目に余る部分があればきちんと厳正に対処したいと思っています」
当時、メディア各社の取材攻勢や記者会見対応で追い詰められていたはずの広報部だが、しっかりテレビ報道をチェックし、抗議まで行っていた。だが、そのやり方は広報部自身ではなく「営業ルート」。エネルギー業界関係者をして「広告宣伝予算規模が他社と比べてゼロが1個は確実に多い」と言わしめる東電の、まさに「札ビラで横っ面を叩く」手法はこの段階でも「健在」だったのである。
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