大阪・飛田新地「遊女の真実」(後)(3)1年で3000万貢いだ子も

アサ芸プラス / 2012年9月6日 10時59分

 ここ何年間で、飛田の親方も急速に世代代わりをしている。昔からいた親方がいなくなり、30代の新経営者が増えてきた。その一方でママさんと呼ばれる女性経営者も増えていて、みずからも女の子を経験している彼女たちは、男にはできないアメとムチの使い分けで、店を回しているという。

「ママさんは、ふだんは『何で、生理やからて休むんや、うちはそんなで休まんかった』と厳しく接しながら、仕事を終えると、ホストクラブに連れて行き遊ばせてやる。でもただ遊ばせるのではなく、女の子にホストのおもしろさを教えて金遣いを荒くさせる。貯金できないようにすると、辞めないで、いつまでも働いてくれるから。賢いママさんだと裏でホストに『この子はあんまりハメすぎると心が折れてしまうから、それ以上お金を落とさすな』とか指示までしてます」

 そこまで割り切れるのは女性だからこそ。杉坂は贅沢を覚えさせるようなことはしなかった。逆に、飛田に引っ張り込んだ者の責任として、「ムダづかいはするな。稼げる時は短いんやから、しっかりためて大事に使えよ」と叱責し続けた。

「実際、うちにいた子は、1000万、2000万円と計画的に貯金している子も多かった。ただ問題は辞めたあと。しばらくすると貯金が底をついて戻って来る。その原因は全て男。ホストとかに全部吸われちゃう。去年も『3000万貯金したんで辞めます』と言ってたが、復帰してきた時には一銭も残ってなかった。飛田で稼いだお金は、どうしても羽振りがよくなる。何かあったら戻ればいい。戻ったら、またすぐに入ってくると思い、それで男に貢いじゃうんです」

 そうした中、現在、普通の生活を送っている子も少なくない。直接連絡をもらうことはないが、たまに世話になったオバちゃんに、手紙を出す子もいる。

「『結婚して、子供を産んで、夫と順調に生活してます』とか書かれていた。みんな結婚する時は黙って結婚する。互いのためにそのほうがいい。でも相手によっては、正直に話す子もいます。3年前、九州から来た40代ぐらいの男女から声をかけられました。女の人が『このへんに〇〇という店はありませんか? 私、そこで2年働いていたんです』と。親が働けない体だったので、自分と妹の学費、親の生活費を飛田で稼いでいたそうです。学校を卒業し、OLになり、ずっと独身だったけど、彼にプロポーズされた。それで飛田のことを正直に話したら事情を理解してくれて、『今度一緒に行ってみよう』と言われたそうです」

 最後に杉坂氏は、飛田が残ってきたのは、それなりに理由があると断言する。

「ここでしか働けないオバちゃんや、家族のために必要としている人がいる。浪費癖、ホスト遊びで借金まみれになり、最後のよりどころにする子たちもあとを絶たない。でもそれ以上の理由として、飛田がなくなれば、間違いなく性犯罪が増える。親方をやっていて目の当たりにした男たちの姿は、みんながみんな理性的ではありません。健全な街づくりにはガス抜きが必要で、不可欠な存在です」

 他にも風俗店はあるが、飛田でなくてはダメだという人が実に多い。杉坂氏はそうした人たちのために、現在はスカウトマンとして女の子探しに奔走している。

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