12球団の「ヤング侍」汗と涙のブレイク秘話(3)

アサ芸プラス / 2012年10月3日 10時59分

中日

田島 谷繁の「俺が受けてやるよ」が運命を変えた

大野 MLBチェンが「後継者」に秘伝のノートを

鉄壁の投手陣でCS出場を決めた中日。今年も強力なニューフェイスが名乗りを上げた。150キロ近いストレートで「浅尾二世」と呼ばれる田島慎二(22)と、2年目の本格左腕、大野雄大(23)である。

 田島が浅尾二世と呼ばれるのは、中継ぎで球が速いからだけではない。浅尾同様、高校時代にキャッチャーからピッチャーへ転向。その高校も決して強豪野球部でなかった点もまったく同じだ。

「彼が明確にプロを目指し始めたのは、東海学園大に入ってから。しかし、4年生の春に肩を痛めてしまい、ドラフトで指名されるか否か、微妙な状況となった。監督が『社会人という選択肢もあるぞ』と諭したのですが、『育成枠でもいいからプロに行きたいです』と言い切ったそうです」(スポーツ紙デスク)

 蓋を開ければ地元・中日がドラフト3位指名。

「肩を痛めていた自分を指名してくれた感謝で、田島はドラフト後に号泣したそうです」(前出・デスク)

 目標としていたプロ野球選手となった田島だが、キャンプインして間もなく、プロでの運命を変える出会いを体験する。

 春季キャンプは二軍スタート。キャンプ中盤にさしかかった頃、捕手の谷繁元信(41)が二軍のグラウンドに顔を出した。そして、谷繁は田島に向かって「お前のボール、受けてやるよ」と声をかけたのだ。しかし、球界を代表する大捕手から声をかけられ、田島は極度の緊張状態に陥ってしまった。

「緊張のため、田島のボールはまったく走りませんでした。谷繁はすぐさま、緊張で力を出し切れていないなと感じたそうです。ボールを受けたあと、鈴木孝政二軍監督にこう話したそうです。『俺が受けるというだけで緊張してしまうようでは、通用しませんね』。プロの世界の厳しさをあえて叩き込むようなひと言でした」(前出・デスク)

 鈴木監督からその言葉を伝え聞いた田島は、「プロは結果を残さなければ生き残れない世界」であることを大先輩の叱咤激励で胸に刻み込んだのだ。

 この日を境に田島の投球は変わった。開き直って投球することで、長所であるストレートでグイグイ押せるようになったのだ。

 思い切りのいい投球が評価され、1年目から一軍に定着。故障で抜けた浅尾拓也(27)の存在をカバーするほどの大活躍で、谷繁からも全幅の信頼を寄せられている。中継ぎでの新人王も狙える存在となったのだ。

 2年目でローテーション投手へと近づいた大野雄大は、オリオールズに移籍して大活躍のチェン・ウェイン(27)に師事している。チェンも「大野は俺の後継者」と断言しているという。その言葉どおり、チェンは大野に「全てを伝授する」とばかりに、キャンプ中から身ぶり手ぶりでアドバイス。それだけでなく、相手打者の特徴やデータが書かれた「チェンノート」を大野に渡しているのだ。

「そのノートは全てチェンの母国語で書かれているのですが、大野に手渡す際、わざわざ日本語に訳しているそうです。大野は宝物とも言えるノートを生かしながら、一軍で奮闘しています」(中日担当記者)

 ドラゴンズ不動の左エースは、台湾の星から京都出身の若者へと受け継がれた。

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