ビートたけしの名言集「断酒をしたらとことん飲まない殿だが…」

アサ芸プラス / 2017年11月19日 9時57分

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「打ち上げの場所は決まったのか?」

「はい。月島の焼き肉屋さんです」

「だったらよ、今、あんだろ? ノンアルコールビールってのが。なんかカロリー低いやつ。俺はダイエット中だから飲まねーから、悪いけどそれ用意しておいてくれよ」

 9月に開催された「ビートたけし“ほぼ”単独ライブ 第四弾」本番3日前、殿は“その日、オイラは打ち上げでは飲まないぞ”宣言を軽く放り込んできたのです。そういえば、16年の秋に開催された「お笑いKGBライブ」の打ち上げでも、翌日の仕事を気にして、殿はお酒を飲みませんでした。

 かつて、“打ち上げで酒を飲むためにライブに出ている”と言っても過言でないほど“打ち上げ大好きっ子”だったわたくしは、たとえ客が4人のライブだろうと、舞台に立った日は何が何でも酒を飲むのが常で、それがこの世界の正解だと、かたくなに思い込んでいた時期がありました。今はさすがに昔ほど、そういった気持ちもありませんが、ただ、1年に1度、お客様が1000人を超える会場で、殿と一緒の舞台に立てる「たけし単独ライブ」の打ち上げでは、大いに飲みたい気持ちが湧き上がります。

 が、ライブの主役であるはずの殿は、翌日の仕事と照らし合わせ“今日は酒はやめとくか”と決めると、いとも簡単に飲まずにやり過ごすことができるのです。

 恐ろしく酒が強く、70歳になった今でも軽くワインを1人で2本は空ける、“誰よりも酒のうまさと楽しさ”を知っている殿が、大勢の客前で、2時間テンション高くしゃべり倒したあとの打ち上げで、飲まないでいられるのが、わたくしには不思議でなりません。

 さらに殿は、打ち上げで酒を飲まないだけでなく、

「手伝ってくれた若い子たちはちゃんと飲んでるのか? 遠慮してるようだったら、お前が言って、じゃんじゃん好きなもの飲ませてやれな」

 と、自分が飲まないことで、周りが気にして酒が進まない事態をことさら嫌い、恐ろしく気を配ります。

 こういった時の殿は、本当に見ていてかっこがよく、つくづく、“だから好きだぜ、ビートたけし!”と叫びたくなると同時に、師匠が飲んでないのに、言われるがまま我慢できずに飲んでしまう自分が、少しばかり嫌になります。

 ただ、殿も人間です。常にかっこがいいわけではありません。かなり昔、やはり仕事の都合で、しばらくの断酒を宣言した殿は、友人との食事会でも、お酒を口にすることなく帰って行ったのでした。が、翌日、

「昨日、あのあと、昔のねーちゃんから夜中に電話があってよ。これはいいなと思って、しょうがねーから家呼んで飲んじまったよ。ちきしょ!」

 と、性欲に負け、お酒を解禁した事実を、思いっきり語り、周囲をどっと笑かせていました。わたくしにとって、こっちの殿も“だから好きだぜ、ビートたけし!”であり、どちらの殿も、やはり大好物なのです。

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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

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