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超楽しい!手乗りコンピューターでドット絵描ける「DITOO PRO」【実機レビュー】

ASCII.jp / 2023年7月13日 18時0分

 私はたまにコンピューターが疎ましくなります。その前に座ると仕事をしなければならないためです。「OfficeやPhotoshopが動かないコンピューターはないかなー」と夢想していたら、担当編集者が「The Retro Pixel Art Portable Speaker」と謳う「DITOO PRO」を送ってくれました。「手乗りコンピューター」のような見た目がたまりませんね。

「DITOO PRO」WiseTech直販価格1万2000円
ディブームDITOO PRO
ディスプレーとキーボードを搭載。バッテリーも内蔵。OS、CPU、メモリー、ストレージ容量は非公開ですが、まぎれもないオールインワンタイプのコンピューターです

ピクセルアートを表示、音楽を再生 SNS通知など多彩なアプリも利用可能

 まずレトロな見た目のハードウェアから見ていきましょう。「DITOO PRO」は、実測3.15インチのディスプレーと48mmフルレンジスピーカーを搭載した「The Retro Pixel Art Portable Speaker」。画面にピクセルアートを表示したり、音楽を再生したり、時計・目覚まし・ゲーム・SNS通知などのさまざまなアプリを利用可能です。

ディブームDITOO PRO
パッケージの外装は紙袋。斬新!
ディブームDITOO PRO
本体は樹脂製ケースに収められています。頑丈!
ディブームDITOO PRO
パッケージには、本体、USBケーブル、説明書、シール×2が同梱。盛りだくさん! ……オマケが付いていると、メーカーが物作りを楽しんでいるんだなーと信頼感がマシマシです

 本体サイズは90×114×121mm(幅×奥行き×高さ)、重量は533g。ディスプレーは実測3.15インチで、ピクセル数は16×16ドット。解像度の低さがレトロチックです。ブラウン管を内蔵したかのようなフォルムがユーモラスで、やたらと大きなメカニカルキーがアンバランス。これらが渾然一体となり、新しくも、懐かしい不思議な佇まいです。

 なお、本体内には5000mAhのバッテリーが内蔵されており、音楽再生時間は約8時間、充電時間は約4時間を実現。モバイルスピーカーとしては実用十分なスタミナ性能ですね。

ディブームDITOO PRO
実測3.15インチのディスプレーの解像度は16×16ピクセル。カラー表示可能なので表現力は意外と豊かです
ディブームDITOO PRO
本体側面。画面を見やすいようにちょっとだけ上を向いています。カラーはブラックのほかに、ホワイト、ブルー、グリーン、ピンク、イエローが用意。個人的にはグリーンを気に入りました。ごめん、ブラック
ディブームDITOO PRO
本体背面にはUSB Type-C、電源ボタン、microSDメモリーカードスロットを用意。ゴム製カバーを閉じている状態でも電源ボタンは押せます。ポチっとな
ディブームDITOO PRO
本体上面には48mmフルレンジスピーカーを内蔵
ディブームDITOO PRO
本体底面にはシリアルナンバーや認証情報が記載。QRコードをスマホのカメラで撮影すれば、アプリストアから専用アプリをダウンロードできます
実測重量は526g。意外に重いですね

6キー、1レバー、1スイッチ どうやって操作するのか?

 キーボードは、6キー、1レバー、1スイッチという不思議な構成。キーピッチは実測19mm、キーストロークは実測3.8mm前後。テキスト入力するわけでもないからキーピッチやストロークなんでどうでもええがなとお思いでしょう。しかし、意外にそうでもないんです。

 なんかもう、打鍵感が無駄に良好。「チャッ!」という打鍵音もイイ! 終末世界で内蔵バッテリーがお亡くなりになっても、この打鍵感を味わうためにDITOO PROを捨てることはないでしょう。

操作部は、メニュー(m)、プラス(+)、表示変更、左選択(←)、マイナス(-)、右選択(→)ボタン、バースイッチ、音源切り替えスイッチを用意。複雑! バースイッチがまるで「スロットマシーン」のレバーのようです。こんなレバーのあるパソコンが私はほしいです
ディブームDITOO PRO
キーピッチは実測19mm前後
ディブームDITOO PRO
キーストロークは実測3.8mm前後。押し心地が良く、カチャカチャ押しているだけで心が癒やされていきます

 操作体系はちょっとわかりにくいのですが、表示変更ボタンを押すとエフェクト、時計などの「チャンネル」が切り替わり、メニューボタン(m)を押してから左右選択ボタン(←/→)を押すとアプリを選択できます。アプリの実行(決定)はバースイッチに割り当てられています。ミュージック、お絵描き、スコアボード、アラーム、ゲームなどのアプリについては、DITOO PRO単独で利用可能です。

ディブームDITOO PRO
表示変更ボタンを押すたびにエフェクト、時計などの「チャンネル」が切り替わります
ディブームDITOO PRO
メニューボタン(m)を押してから、左右選択ボタン(←/→)を押すと、ミュージック、お絵描き、スコアボード、アラーム、ゲームとアプリを切り替えられます。アプリはDITOO PRO単独で利用可能です
ディブームDITOO PRO
これはブロック崩しゲーム。ゲームは15本収録されています

 ちなみに、上面の48mmフルレンジスピーカーは、出力15W、再生周波数帯域80~20000Hz、SN比72dBで、小型ボディーらしからぬ迫力のあるサウンドを楽しめます。ただし最大音量だと共鳴がちょっとだけ気になりました。個人的には16段階中13段階ぐらいの音量がいいかなーと感じました。それでも8畳ぐらいの部屋であれば、どこからでも十分なボリュームでサウンドを楽しめますよ。

DITOO PROから50cm離れた距離で、ブライアン・アダムスの「Heat of the Night」を最大ボリュームで再生した際の音圧は最大87.1dBA。多くのノートパソコンよりも音圧は高いですね

専用アプリ「Divoom」を用意 スマホと一緒に使うデバイスです

 ワイヤレス通信はBluetooth 5.0。対応プロファイルはA2DP/AVRCP/HSP/HFP。iOSまたはAndroid端末に専用アプリ「Divoom」をインストールすれば、ピクセルアートのカスタマイズ、音楽再生、アラーム、音声メモ、ゲーム、騒音計などなど、さまざまなアプリを利用可能。Wi-Fi非対応なので、基本的にスマホとセットで利用するデバイスということになりますね。

ディブーム
専用アプリ「Divoom」はiOS、Android両対応。今回はiOS版で試用しました
専用アプリ「Divoom」のホーム画面。利用前にはアカウントの取得、デバイスの追加が必要
これは「デバイス設定」画面。DITOO PROの画面の明るさ、自動電源オフまでの時間などの基本設定を行ないます
ディブームDITOO PRO
ホーム画面から「デバイス機能」の「その他」を選択すると、ピクセルアート、オーディオ、プランナー、Misc(その他)機能にアクセスできます

 DITOO PROイチオシの機能はやはり「アニメーション」機能。16×16ピクセルのドット絵を描いて動かせるのは超楽しい! ブラボー!! (……なんじゃないかな、たぶん。)いや、あのですね。頑張ったんですけど、私にアニメ絵の才能は皆無でした。とりあえず猫ちゃんのドット絵だけ1時間かけて作成したので、こちらで許してほしいニャン。ニャン?(←ダメ押し)

ディブームDITOO PRO
「アニメーション」を選択すると、ドット絵のエディターが起動。複数のドット絵を作成すればアニメを作れます。なお多くのパレットが用意されていますが、自分でパレットを作成することも可能です
ディブームDITOO PRO
「アニメーション」でドット絵を作成すると、リアルタイムにDITOO PROにプレビューが表示されます。実際の見え方を確認しながら描画できるわけです。これだけアプリがよくできているのに、なんでアニメ絵が描けなかったのかニャー?
「ギャラリー」にはほかのユーザーが作成した膨大な数のドット絵アニメが公開されています。自分でドット絵を描けなくても、多彩なアニメを表示できますよ

 もうひとつ気に入ったのが「通知」機能。あらかじめスマホとDITOO PROの連携設定を済ませておけば、スマホアプリに通知が届いた際に、DITOO PROに通知が表示されます。スマホをカバンの中などに入れたままでも、DITOO PROに大きく表示されるわけです。机の片隅に置いておけば重宝間違いなしですね。

「Misc機能」の「通知」をタップすると、連携したいスマホアプリを選択可能
ディブームDITOO PRO
連携を有効にしたアプリに通知が来ると、DITOO PROに通知が転送。メッセージの内容やスタンプは表示されません

こんなデザインコンセプトの オールインワンパソコンが発売されてほしい!

 連載開始3回目にして、そろそろおなじみになったかもしれない主観的評価ですが、「エモ度」は100点満点中85点、「レトロ度」は95点です。本当に申しわけないのですが、今回借用したブラックモデルでは若干エモ度を減じずにはいられませんでした。なんかー黒電話っぽいんですよねー、なんかなんか。

 メーカー様におかれましては「なんだそれ!」と憤りを抑えられないかもしれません。ブルー、グリーン、ピンク、イエローモデルだったら「エモ度」は100点満点中、1億点です。

 「レトロ度」を高得点にした理由は、ブラウン管を彷彿とさせるフォルムと、メカニカルスイッチのキー。15W出力の48mmフルレンジスピーカーを小型ボディーに内蔵するために、必然的にこのようなフォルムになったのは重々承知しつつも、こんなデザインコンセプトのオールインワンパソコンが発売されてほしいなーと思いました。ベアボーンキットでもいいので!

 DITOO PROは単なるレトロな置物ではなく、16×16ピクセルと制限されているなかでのクリエイティブな楽しみと、SNS通知などの実用機能が搭載。ユーザーでなければ使いこなせない微妙に難解な操作体系も逆にいい感じ。私もドット絵を描く楽しみに目覚めてしまったので、自腹購入待ったなし。でもアニメ絵だけは勘弁ニャー!

この記事を書いた人──ジャイアン鈴木

 EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始した。

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