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羽田空港「秘密の扉」がついに開かれる 第2ターミナルの新ラウンジ、全部見せます

ASCII.jp / 2023年7月19日 7時30分

羽田空港第2ターミナル国際線施設

 みなさんは羽田空港第2ターミナルに「幻のエリア」と呼ばれる施設があったのをご存じでしょうか。ターミナルビル2階南側の保安検査Dや時計台6のその先に巨大なシャッターがあり、その奥に、封鎖された幻のエリアがあったのです。

羽田空港第2ターミナル国際線施設
巨大なシャッターで閉ざされていた空間。この先が「幻のエリア」。本日、7月19日からこの扉がオープン予定

 この「幻のエリア」の正体は、羽田空港第2ターミナルの国際線施設。羽田空港は現在の第3ターミナルを国際線施設として運用していましたが、就航する航空会社と便の増加を受けて、ANAの国際線をメインとした国際線施設を2020年3月29日にオープンしていました。

 ところが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、各社国際線の減便および利用客は激減し、わずか13日間営業しただけでクローズ。以降3年3ヵ月の間、閉ざされた「幻のエリア」となってしまったのでした。

 そんな悲運の国際線施設ですが、コロナ禍も一段落つき、再び国際線の就航や利用客増加したことを受け、2023年7月19日、ついに再開されることとなりました。これに先立ち、プレス向けに国際線施設が公開されたので、今回はその様子を写真たっぷりでお届けします。

天井18m、開放的で未来的なチェックインエリア

 羽田空港第2ターミナル国際線施設の特徴は、なんといっても開放感のあるチェックインエリア。天井は18mと高く、全面ガラス張りとなっており、その向こうには搭乗ゲートとC滑走路なので様々な航空会社の飛行機が離発着している様子も見られます。

羽田空港第2ターミナル国際線施設
青を基調にした開放感のある明るいチェックインエリア。コンセプトは「一期、一会」。建築家 隈研吾監修のおもてなし空間
羽田空港第2ターミナル国際線施設
大きな窓ガラスの向こうは滑走路で、飛行機の離発着が見られる

 チェックインでの待ち時間を減らすため、自動手荷物預け機を13台26レーンも用意。当面は、ANAのロンドン、上海・虹橋、香港、台北・松山の5便しか第2ターミナル国際線施設を使わないため、利用客はほとんど並ばずスムーズにチェックインできそうです。

羽田空港第2ターミナル国際線施設
自動手荷物預け機とセットになったチェックインカウンター
羽田空港第2ターミナル国際線施設
SFちっくなフォルムの自動手荷物預け機
羽田空港第2ターミナル国際線施設
ロビー左手奥には、ファーストクラスおよびANAの「ダイヤモンドサービス」メンバーなどが利用できる専用のカウンターも用意されている
羽田空港第2ターミナル国際線施設
チェックインロビーを見渡せる待合いスペースに、電源付きのデスクがある。これが最高の眺望で、飛行機好きでなくともノマドスペースとして人気スポットになりそう。同じフロアにスターバックスもオープン予定
用語解説 羽田空港第2ターミナル

2004年に供用開始となり、ANAをメインに国内線各社が利用しているターミナルビル。2017年よりターミナル南側を国際線施設向けに増設工事をスタート。国際線向けの搭乗ゲートを7つ設置し、そのうち5つは際内供用となっている。ただし際内同時利用はできず、切り替える際には、密輸や不法出入国を防ぐため、施設内を厳しくチェックする必要がある。

(次のページでは最上級会員向けの「ANA SUITE LOUNGE」に潜入!)

最上級会員向けの「ANA SUITE LOUNGE」をのぞいてみよう

 保安検査を抜けた制限エリアにあるラウンジも充実しています。国際線施設の2階から4階まで使用したその広さは、ANAのラウンジとしては国内最大級。ファーストクラスの利用客やANAのダイヤモンド会員など最上級会員が利用できる「ANA SUITE LOUNGE」は約360席。ビジネスクラスなどの利用客と上級会員向けの「ANA LOUNGE」は約900席も用意されています。

羽田空港第2ターミナル国際線施設
「ANA LOUNGE」の受付。当面は「ANA SUITE LOUNGE」の受付もこちらで行う

 特に「ANA SUITE LOUNGE」はサービスが充実。ライブキッチンでは、時間帯に合わせたメニューで食事を提供。ANAのラウンジとしては初となる対面式のバーカウンターでは、バリスタによるエスプレッソなどのコーヒーメニューと、夕方以降はバーテンダーによるオリジナルカクテルが提供されます(再開時のバーカウンター運用時間は6:00〜12:00)。

羽田空港第2ターミナル国際線施設
「ANA SUITE LOUNGE」の受付周辺は、竹を使って和をイメージしている(運用再開時はクローズで「ANA LOUNGE」の受付カウンターを使用)
約360席を用意した「ANA SUITE LOUNGE」
羽田空港第2ターミナル国際線施設
ソファ、カウンタバー、休憩ルーム、ほぼすべての席に通常のコンセントとUSBコンセントが完備されている。余談だがソファは主にDC5V 1.5Aが多く、バーカウンターや休憩ルームはDC5V 2.4Aが多かった
ANAラウンジとしては初となる対面式「BARカウンター」
羽田空港第2ターミナル国際線施設
バーテンダーがANAをイメージした青いオリジナルカクテル「インスピレーション シャンパンカクテル」。某有名ホテルで働いていたバーテンダーが腕をふるう
羽田空港第2ターミナル国際線施設
3Fにあるライブキッチン。席ごとにQRコードがあり、スマートフォンなどのデジタル端末からWi-Fiに接続して食事を注文できる「お食事オーダーシステム」を導入
羽田空港第2ターミナル国際線施設
シェフが目の前で調理してくれる
朝食のチーズトーストを調理中
羽田空港第2ターミナル国際線施設
焼き上げて完成した朝食メニューのチーズトースト

(次のページでは食事のメニューやプライベートスペースをチェック)

羽田空港第2ターミナル国際線施設
ライブキッチンで提供予定のメニュー。左側が朝食で右側がランチ
飛行機を見ながらの食事
羽田空港第2ターミナル国際線施設
クロワッサンやおにぎりといったビュッフェスタイルで提供されるフードもある
羽田空港第2ターミナル国際線施設
3F/4Fともにワインやシャンパンが置かれており、「ANA SUITE LOUNGE」独自の銘柄を取りそろえている
もちろんビールサーバーも完備
羽田空港第2ターミナル国際線施設
「ANA SUITE LOUNGE」はハーゲンダッツ食べ放題

 さらに横になれるリクライニングチェアーやソファーのある「ナッピングエリア」や、テレビが視聴できる半個室式の「プライベートエリア」も用意されており、搭乗時間までゆったりとした時間を過ごせそう。この施設を見てしまうと、マイル修行してでもANAダイヤモンド会員になりたいという気持ちもよくわかります。

「ナッピングエリア」のリクライニングチェアは計5台用意。靴を脱いで横になれる場所は必ず靴べらもある
羽田空港第2ターミナル国際線施設
同じく「ナッピングエリア」のソファーベッドは計6台。ラウンジで寝てしまって飛行機を乗り過ごすというのは、ラウンジあるあるなので利用の際にはご注意を
羽田空港第2ターミナル国際線施設
ブランケットの貸し出しも
羽田空港第2ターミナル国際線施設
高めの壁で覆われており、周囲の視線も気にならない「プライベートエリア」のソファ。前方に隠されたモニターでテレビを視聴できるが、電源を入れなければ鏡になる。こちらも手元にはライトとAC等が完備されている
用語解説 「ダイヤモンドサービス」メンバー

 ANAのマイレージサービス会員に付与されるステータスのひとつ。ANAの利用頻度などによって、「ブロンズサービス」メンバー、「プラチナサービス」メンバーとステータスが上がり、「ダイヤモンドサービス」メンバーは最上位。「ANA SUITE LOUNGE」が利用できるほか、受託手荷物の重量が優遇されたり、メンバー期間中は貯まったマイレージの有効期限が延長され失効しないといった特別なサービスを受けられる。

用語解説 マイル修行

 主に航空会社会員サービのスステータスを獲得、もしくは維持するために飛行機に乗る行為の俗称。マイルを貯めることが目的なので、国際線も含め、到着地で観光などはせず、乗ってきた飛行機にそのまま搭乗して帰ったり、1日で何便も利用するなど過酷なフライトになることが多くそのように呼ばれている。「週末、沖縄へ修行に生きます」といった使い方をする。

(次のページではビジネスクラス向けの「ANA LOUNGE」に潜入!)

ビジネスクラス向けの「ANA LOUNGE」にはヌードルバーが!

 ラウンジ「ANA LOUNGE」もホットミールやドリンク類が提供されるほか、好評のヌードルバーもあり、出発前に蕎麦やうどん、ラーメンと日本食の食べ納めができます。飛行機の離着陸を見るという目的であれば、「ANA LOUNGE」のほうが広く見渡せました。さらに、キッズルームやシャワールームといった施設も用意されており、特にシャワールームは17室(運用再開時は10室)もあるため、長時間フライトの前にサッパリとしたい人にオススメです。

羽田空港第2ターミナル国際線施設
全約900席と広々とした「ANA LOUNGE」。窓際にはバーカウンターもある(こちらもカクテルの提供は夕方以降の時間帯のみ)
羽田空港第2ターミナル国際線施設
ANAの国内にある国際線ラウンジとしてはキッズルームがあるのはここだけ。床にはフロアマットが敷かれ、ガラスの自動ドアはタッチボタンタイプで、扉を閉めれば少し音が遮断されるため、キッズが大きな声を出して遊んでも安心だ
パソコンを広げ、集中して仕事ができるビジネスルームもある
羽田空港第2ターミナル国際線施設
ビジネスユーザー向けにプリンターも完備。(筆者はラウンジで取材イベントのチケットをプリントするなどで利用することがあるため、複合機があるのはありがたい)
羽田空港第2ターミナル国際線施設
奥のほうになにかあるなと思って進むと……
静かにゆっくり過ごせるプライバシールーム。オープンエリアにお2人で座れるパーティション付きのソファ型ブース席エリアもあるが、再開時はクローズしている
羽田空港第2ターミナル国際線施設
さまざまな椅子やテーブルが置かれているが、ほぼすべての席の足元、ソファー横、テーブル下など、通常のコンセントとUSBコンセントがすぐ見つかった(USB電源は1.5A〜2.4Aまでさまざま)
羽田空港第2ターミナル国際線施設
食事ができる大きなカウンターテーブルにも

(次のページでは食事の形式やシャワールーム情報をチェック)

羽田空港第2ターミナル国際線施設
「ANA LOUNGE」のキッチンスペースではビュッフェ形式で提供
ドリンク類も豊富に用意
ANAラウンジでは定番の「ヌードルバー」
シャワールームは全17室(4Fに10室、3Fに7室。再開時は4Fの10室のみオープン)
天井シャワーと手元のシャワーが2種類
シャワールームにもあった。ラウンジで電源に困ることはない

 ちなみにラウンジ以外のカフェやショップなどの商業施設は順次開業となっており、本格的なフル営業となるにはもうしばらく時間がかかりそう。とはいえコロナ禍で「幻のエリア」となった施設が再開業するということは、それだけ海外旅行が以前の活況を取り戻したという証拠。筆者もはやくこの羽田空港第2ターミナル国際線施設から世界へ飛び立ちたいものです!

取材時にたまたま見ることができた映画「スター・ウォーズ」R2D2の特別塗装機「R2-D2 ANA JET」(ボーイング787-9型機)

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヶ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

  • 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン)
  • 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン)

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