ドコモ契約のSIMをirumoにプラン変更した どこに注意が必要!?
ASCII.jp / 2023年7月16日 12時0分
ドコモの新料金プランがわかりにくいという評価を多く見かける。大きく表示されている料金にするには、固定回線のセットやドコモのクレジットカードでの支払いが必要など、どのプランが自分に合っているのか見えにくい。一方で、格安SIMユーザーの視点では、irumoの月550円のプランでドコモのサービスを受けられるようになったというメリットもある。そこで実際にirumoへのプラン変更を試みた。
irumoの月550円のプランは、OCN モバイル ONEとは中身が違う
ドコモのサービスでありながら、最安で月550円のプランが用意されているirumo。そのほかにも3GBプランで月880円の料金をアピールしていたり、広告キャラクターに同じ石原さとみさんを採用するなど、OCN モバイル ONEのサービスを移管したように見えることもある。しかし、サービス内容は随分異なっている。
まず、irumoの月3/6/9GBで大きく表示されている料金は、「ドコモ光」または「home 5G」とセットによる月1100円引き、ドコモのクレジットカードのdカードで料金を支払った場合の月187円引きを含むもので、ユーザーの条件次第で実際の料金が大きく変わる。
たとえば、3GBプランで比較すると、OCN モバイル ONEでは最初から月990円だが、irumoは月2167円と大幅にアップ。そこから前述の割引が適用されることで月880円になる仕組みだ。
一方で、irumoの0.5GBの最安プランは誰が契約しても月550円(逆に固定回線セットの割引などは適用されない)。ただしこれも、OCN モバイル ONEの0.5GBプランとは内容が異なり、通信速度が最大3Mbpsに制限され、接続も4Gのみだ。
0.5GBという容量は、5G接続で状態がいいときに速度計測をしたら1回で終わりになってしまうほど。そのため4Gで最大3Mbps制限というのも、ある意味親切な設計とも解釈できるが、サービス的にはグレードダウンとしか感じられない。
また、0.5GBプランを便利に使う人は音声通話が中心の例が多いことが考えられるが、通話定額のオプションがドコモ仕様になって、料金が高くなっている(かけ放題は1430円→1980円、定額外の通話料は30秒あたり11円→22円)。メールについても、OCN モバイル ONEはOCNのメールアドレスが1個ついてきたが、irumoはドコモメールオプションとして月330円がかかる。
そのほかにも、使い切れなかった通信量の翌月繰り越しがなくなっているなど、違いは細かな部分まで多数ある。もっとも既存のOCN モバイル ONEユーザーはそのままの条件で使い続けられるので、irumoに乗り換えるのはじっくり考えてからでいいだろう。
ドコモの通常プランからの変更は オンラインで可能だが時期に注意
今回、筆者はドコモ「5Gギガライト」からirumoの0.5GBプランに変更した。最初に言っておきたいのは、5Gギガライトからirumoの0.5GBへの変更は月末以外は損になるということだ。
ドコモでは月の途中でも料金プランの変更が可能だ。ただしそのときのルールがいろいろある。irumoの場合は、5Gギガライトなどからの変更の場合、変更前の月額料金のみ課金されるとある。5Gギガライトは日割りはないので、5Gギガライトの料金が請求される。
つまり、月の始めにirumoに変更してしまうと、5Gギガライトの料金が満額請求されながら、その月は通信量を含めてirumoのサービスしか受けられない。今回はirumoの0.5GBへと変更したが、7月途中にプラン変更した筆者は3465円を払って、irumoの低速で0.5GBの通信量しか使えないことになる。
もし、5Gギガライトからirumoにプラン変更するのなら、まずは一番大容量の9GBプランを選択。月末までに必要なプラン(0.5GBプランや3GBプランなど)に変更すれば、同じ支払い額ながら変更月はより多くのデータが使える。
今回のケースでは、ドコモのプラン変更のパターンにより、即時適用と翌月適用とわかれている。即時適用では日割りでなくどちらかのプランを満額請求されるのだから、よほど変更の時期やパターンを考えないと損をすることになりかねない。
しかも、オンラインでirumoに変更の際は、途中「5Gギガライトの月額料金のみの請求」と注意書きが表示されるのだが、なぜか「初回優遇」や「優遇により」などと書いてあるため、得をするように思えてしまうから、特に注意が必要だ。
オンラインでプラン変更を試みた
実際にプラン変更する場合、dアカウントでirumoのサイトにログインして操作することになる。ドコモ内でのプラン変更なのだから、これまで同様に「My docomo」で該当のメニューを探してしまいそうになるが、irumoについてはそうではない。そしてこの時点ではまだまだirumoユーザーではないのに「irumo利用中」の方というところからログインする必要がある。
また、ドコモユーザーであれば体験したことがあると思うが、最近のドコモのサービスはユーザー認証が厳しくなっており、スマートフォンでdアカウント設定アプリを使わないとログインが難しく、一部のケースではドコモの回線経由で接続しないと先に進めないことがある。
一番確実でトラブルなく進められるのはスマートフォンにドコモのSIMを挿入した状態で、そのスマートフォンから手続きすること。今回は、PCから操作したがドコモのSIMを挿入したスマートフォンでテザリングをオンにして、その回線経由でドコモのサイトにアクセスした。
基本的には料金プラン変更なので、新規契約と違って個人確認などは必要ないが、dアカウントのログイン時にスマートフォンアプリで認証したり、ドコモ回線経由での手続きを要求されたりと手間がかかった印象だ。もし、スムーズにdアカウントでログインできれば、あとは料金プラン変更だけなのであっさりと完了するはずだ。
ちなみにirumoには標準ではメール機能がないので、キャリアメールのアドレスを維持したい人は契約変更時に「ドコモメールオプション」(月330円)を必ず申し込む必要がある。
これらの手続きが終われば、スマートフォンに挿したSIMは交換しなくてもそのまま使える。irumoのAPN設定はドコモのspモードと同じ。ドコモの通常プランからなら設定を変更する事はない。eximo/irumo/ahamoとも設定は共通だ。
3Mbps上限の0.5GBプランのirumoの使い心地はまずまず 従来型ケータイの人なら月880円でキャリアメールも使える
設定もSIMも変えずにirumoの利用を開始した。特段変わったところはないと言いたいが、irumoの0.5GBプランは最大3Mbpsなので、ウェブサイトの表示が多少遅くなり、動画ではスタートが遅くなったり、画質が落ちたりしている。
なにぶん0.5GBということで、すぐに無くなってしまうかと思いきや、速度が遅いだけに目に見えて減っていくということもない。なお、速度測定すると、混雑時でも閑散時でも安定して3Mbpsという感じだ。
容量が少ないと気になるのは通信量の残りだが、ドコモの既存プランと同じくMy docomoアプリで見ることができる。残量をウィジェットで表示することも可能だ。
ちなみにドコモメールオプションを追加して、ドコモの4Gケータイでirumoを使ってみると、ケータイのメール機能でそのままキャリアメールを送受信できた。ドコモ契約のまま、メールオプション込みで月880円で維持できるという点はメリットとなりそうだ。
irumoはドコモ契約を残しておきたい人などに有効 うまく活用したい
irumoは月550円から利用できるドコモ契約のサービスで、すでにドコモ回線を持っていて、ほとんど使っていない回線を契約を残しつつ支払い額を抑えたいときなど、大幅に出費を減らせる役立つサービスと言える。
ただし、格安SIMユーザーには、0.5GB以外のプランは条件を満たさない限りかなり割高で勧めにくい。3GBでより手頃な料金なサービスはMVNOならいくつもある。
そして繰り返しになるが、プラン変更の際は、変更月のルールをよく把握した上で損のないようにしてほしい。
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