重大犯罪が目につく日本、防犯重視ならRingはどうだ?
ASCII.jp / 2024年10月22日 16時45分
Ringインターナショナルのマネージング・ディレクターDave Ward(デイブ・ワード)氏が来日。Ring製品とそのコンセプトに関して、日本のメディアに解説した。11月に開始する新しいサブスクリプションサービス「Ring Homeプラン」についても紹介した。
10年以上前の2014年にサンタモニカで創業したRing。中心製品であるDoorbellを発売した。現在は30ヵ国以上で6カテゴリー50種類ものデバイスを販売している。新しい製品でありながら、シンプルで分かりやすい体験を顧客に届けようとしている。相互に連携するデバイスという窓を通じて、必要なもの、大事なもの、気にかけているものにつながれる環境を用意している。
現在では「Neighbor Saver」(近隣を安全に)という創業以来のセキュリティに加えて、ペットや家族の見守り、近所の皆さんへのお礼、置き配での活用など、より広い用途での活用を可能とし、撮影したビデオを家族、友人、恋人と共有して思い出を残せるデバイスの開発に取り組んでいる。
こうしたデバイスの活用を通じて生じる偶然性(貴重な機会)を記録し、つながっていけることもまたRingを使用する魅力だ。この10年で認知が進んだRingブランド製品を、ペット、家族、自動車など、より新しい領域にも広げていくことがこれからの10年の挑戦だという。そのためにAIなどを活用して、体験の改善を図っていく。
ワード氏「通知だけでなく、今まさに見たいもの、つまり何が求められているかを相互に知ることが大事だ」
これからの技術AIにも積極的に取り組む!
AI活用については、新しいトピックスと思われがちだが、Ringの場合は2016年当時からコンピュータービジョンやAIを最大活用して、精度の改善、モーション/イベント検知への活用を進めてきた。例えば、宅配便の梱包であれば、それを認識して置いたことが通知されるなど、知りたいことを知りたい形で示すことに取り組んでいるそうだ。ビデオはもちろん各種センサーを活用。センサーのデータをAIなどと統合して、パーソナライズ/カスタマイズ性を高め、本当に必要なものだけに絞った適切な通知が飛ばせるようにしていく。
ワード氏「AIは我々にとってもまだDAY1の状況だが、その未来には興奮している」
防犯カメラの将来性については、世界の市場で30%の伸び率を経験。期待の分野だという。さらに製品単体だけでなくEcho ShowやEcho Dot、Fire TV、Alexa Chimeなどとの組み合わせでより高い効果を発揮できる。カラーバリエーションやライト付きのモデルなど、バリエーションも増やしている。
プライバシー保護についても優先的に配慮しており、モーション検知をするゾーンとプライバシーを守るゾーン(撮影禁止エリア)の設定機能などもアプリに盛り込んでいる。
日本は非常に重視している市場だ、B2Bの道筋も探る
日本市場にも大きく注力しており、日本のユーザーに合わせた改善、PR戦略の強化、コミュニティの育成などを重ねている。2022年にビジネスを開始して以来、2023年は70%以上販売台数が増加したという。Ringデバイスからは声や警報を発生させることも可能。日本でも重大な犯罪がよく報じられているが、こういった環境にも合ったデバイスがRingであると言えるだろう。
Ring Homeプランは11月5日に開始。Basic(月額350円)、Standard(月額1180円)、Premium(月額2380円)の3種類からなり、最長180日のビデオ保存(さかのぼっての録画データ確認)ができる。
Basicは従来のProtectプランに近い、Ringを1台だけ使用している人に向けたプラン。Standardは複数デバイスの利用者向け、Premiumはデバイスから最大限の機能を引き出したいという人向けで、通常はイベントが起こった時だけに録画する方式であるのに対して、365日24時間の常時録画を最大10デバイスでできる。その内容はクラウド上に14日間残せるという。
また、ドアベルカメラで捉えた映像と音声を電話のようにスマホで着信できるDoorbell Callingも利用可能だ。ドアベルの通知だけではわからない、Wi-Fiでは遅延が生じるという声もあり、ビデオ通話の呼び出しからの着信も可能となっている(Standard以上)。
録画データは24時間録画した内容から、何かのイベントを検知した分だけが、青い帯で示されるので頭出しなども容易だ。録画したデータをダウンロードしたり、イベントの種類から録画データを探すこともできる。通知についてもモーションGIF画像付きとなり、通知の画面でアプリを開かずに概要を知ることができるようになった。
日本でRingの事業を担当する瀬口雄介氏は「クラウドを核にしたシステムが強み、今ある機能はどんどんアップデートしていく」と説明する。
Ringは従来の主流だったB2Cのユーザーだけでなく、B2Bなどより広い領域への拡大を図っていくという。米国では個人として利用を始めたユーザーが事業でも使うケースが増えており、顧客の8%程度がSMB(中堅中小のビジネス)での導入を進めているそうだ。基本はカフェなど小規模の導入を想定しており、Amazonビジネスなどを通じた購入も可能にしていく。
ワード氏は「ハードウェアが我々の事業のコアである点は変わらないが、つながり続ける価値を提供するためにはソフトウェアが非常に重要となる。その両輪で体験を向上させ、事業の拡大に取り組んでいく」と話した。
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