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細胞培養用の培地添加剤を開発・製造・販売するジャパン・バイオメディカル社へ出資

@Press / 2017年10月26日 17時15分

富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、10月25日に、細胞培養用の培地添加剤を開発・製造・販売する株式会社ジャパン・バイオメディカル(以下、JBM社)と、同社の第三者割当増資を引き受け、37百万円を出資する契約を締結しました。これにより、同社全株式の19.8%を保有します。
今回の出資目的は、高い細胞増殖性を実現するJBM社の培地添加剤「NeoSERA(R)」の国内独占販売権の取得と、各種細胞の培養に適した培地に「NeoSERA(R)」を組み合わせた新たな高機能培地の開発です。今後、富士フイルムは、培地のラインアップ拡充を通じて、再生医療事業のさらなる拡大を図ります。

◆詳細はWebページをご覧下さい。
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_1237.html?link=atp

細胞培養では、細胞が増殖するための栄養として培地が必要です。また、より効率的な細胞培養には、培地に加えて細胞増殖を促す培地添加剤が重要で、培地添加剤には血清を用いるのが一般的です。現在、血清は、細胞増殖に必要な因子を多く含むウシ胎児の血液由来のものが広く使用されていますが、一頭から採取できる血液の量が限られているため、均質な血清を大量に生産することが困難であるという課題がありました。このような中、JBM社は、成牛から細胞増殖に必要な因子を多く含む血液を採取する技術を確立。本技術を用いて血清を大量生産し、培地添加剤「NeoSERA(R)」として上市しています。
「NeoSERA(R)」は、ウシ由来の血清でありながら、医薬品医療機器総合機構(PMDA)より再生医療製品の材料適格性(*1)の確認書を初めて取得した製品です。間葉系幹細胞(*2)などの培養で優れた細胞増殖性を実現しており、今後、需要が拡大する臨床用途としても最適です。

富士フイルムは、日本で初めて再生医療製品を開発・上市した株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下、J-TEC)、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーである米国Cellular Dynamics International, Inc.(セルラー・ダイナミクス・インターナショナル、以下、CDI)に加え、本年4月には培地などの試薬、臨床検査薬、化成品を製造・販売する和光純薬工業株式会社(以下、和光純薬)をグループ会社化しました。現在、再生医療に必要な主要要素である「細胞」「足場材」「培地」のすべてを自社グループで保有し、再生医療事業を推進しています。
今回のJBM社への出資に先駆けて、本年7月に和光純薬がJBM社と「NeoSERA(R)」の国内独占販売契約を締結。すでに「NeoSERA(R)」の販売活動をスタートさせています。また富士フイルムは本出資を通じて、今後、各種細胞培養に適した培地に「NeoSERA(R)」を組み合わせた新たな高機能培地を開発。J-TECやCDI、和光純薬といったグループ会社の技術を活用して、早期上市を目指します。

富士フイルムは、長年の写真フィルムの研究で培ってきた高機能素材技術やエンジニアリング技術と、J-TECの治療用細胞の生産技術、CDIの世界トップのiPS細胞関連技術・ノウハウ、和光純薬の培地技術を融合し、自社再生医療製品の研究開発を加速させるとともに、再生医療製品の開発・製造受託や培地の事業拡大を図ることで、再生医療の産業化に貢献していきます。

*1 ウイルスなど病原性微生物排除の観点から、再生医療製品の製造に使用されるヒト・動物由来成分を含む材料(例えば、培地のように最終製品の構成成分とならないもの)の適格性、安全性をPMDAが確認する。
*2 間葉系幹細胞とは、生体内に存在し、一定の分化能/増殖能を持つ幹細胞。脳梗塞のほか、軟骨損傷、虚血性心不全、下肢虚血など、さまざまな疾患の治療に1,000例を超える臨床研究が行われている。

富士フイルムニュースリリース一覧
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/index.html?link=atp
富士フイルム株式会社
http://fujifilm.jp/?link=atp
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