センサや電子部品の飛躍的な小型化に貢献可能な「微細な金属材料と樹脂材料の複合立体形成技術」を開発
@Press / 2018年2月7日 11時0分
センサおよびMEMS製品の設計、開発、製造および販売を行う株式会社テクノロジー・イノベーション(本社:長野県塩尻市、代表取締役社長:矢吹 尚秀、以下 テクノロジー・イノベーション)は、株式会社小野田製作所(本社:長野県上伊那郡、代表取締役:今井 和貴、以下 小野田製作所)と長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(所在地:長野県岡谷市)と共同で、微細な金属材料と樹脂材料を複合させ立体形成する技術を開発しました。
この技術はMEMS技術を応用し、金属材料と樹脂材料からなる微細な立体構造物を一括で形成できる技術であり、センサや電子デバイスの飛躍的な小型化が期待できます。
テクノロジー・イノベーションは、半導体をコアにシステム提案、設計開発サービスを提供する株式会社PALTEKのグループ会社です。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/148523/LL_img_148523_1.png
試作した立体構造物と毛髪の比較
■開発の背景
MEMS(※1)製品は動作させるために電気配線が必要となります。従来のMEMS製品は電気抵抗が高いシリコン(※2)上に金属薄膜(※3)を形成して配線を行いますが、金属薄膜は微細化すると強度はもろくなり、強度と電気特性を両立させることは困難でした。
この課題を解決するため、テクノロジー・イノベーションが有するMEMS開発に関する技術をベースに、電子部品・機械部品への微細メッキ(※4)を得意とする株式会社小野田製作所が強度・電気特性に優れたメッキ技術を、長野県工業技術総合センターがMEMSプロセス、評価技術を持ち寄り、構造体の強度と電気特性を両立できる金属材料と樹脂材料からなる微細な立体構造物を形成する技術の開発に成功しました。
<今回の開発技術により形成した立体構造物>
https://www.atpress.ne.jp/releases/148523/img_148523_2.png
■技術の特長
1. 0.01 mm以下の加工精度で微細構造を形成可能
MEMS技術を応用した微細加工技術のため、曲線や微細な凹凸などの複雑形状を、0.01mm以下の高い精度で作り込むことができます。
<試作した立体構造物と毛髪の比較>
https://www.atpress.ne.jp/releases/148523/img_148523_1.png
2. 導電性と絶縁性の材料をサンドイッチ構造で一体形成
導電性である金属材料の形成プロセスを最適化することで、良好な機械的強度と電気特性を維持することに成功しました。また、金属と絶縁性材料を複合化した構造物を一括形成する技術により、絶縁材料を介して金属を密着させることができました。そのため、微細構造物の強度が大幅に向上し、これまでにない電子デバイスへの応用が可能です。
3. 大量生産が可能な手法であるため、低コスト化が容易
立体形成技術はフォトリソグラフィ(※5)とメッキ技術を組み合わせた、大気中でスケールアップが容易な手法を採用しています。いずれの技術も生産性が高く、量産効果による低コスト化が期待できます。
■今後の展開
今回開発した「微細な金属材料と樹脂材料の複合立体形成技術」を活用することにより、微細でありながらも構造体としての強度を保ち、電気特性も維持できる立体構造物を形成することが可能になります。そのため、センサや電子部品の通常の1/10以下に小型化することも可能となります。今回開発した技術をセンサや電子部品の開発に最適化し、微細製品の開発・製造受託や新たな微細デバイスの商品化を目指します。
株式会社テクノロジー・イノベーションの代表取締役社長 矢吹 尚秀は次のように述べています。
「今後さまざまな機器のIoT化が進む中で、センサの搭載数は爆発的に増加することが予想されています。その中で、センサや電子部品の小型化、低コスト化に貢献できる技術を、小野田製作所様と長野県工業技術総合センター様と共同で開発できたことを大変うれしく思います。今後は、開発した技術をベースにセンサや電子部品の付加価値を高め、IoT社会の実現に向けて貢献してまいりたいと思います。」
■専門用語説明
※1 MEMS:
Micro electro mechanical systems(微小電気機械システム)の略で、センサや電子回路を微細加工技術で集積化したデバイス。半導体を作製する技術が応用されているが、立体構造や深穴の形成など、MEMS技術固有の特殊なプロセスが多い。
※2 シリコン:
半導体の材料であるとともに、MEMSデバイスでは微細加工が容易であるため広く用いられる。一方、電気抵抗が高く、電気配線としては使いづらい。
※3 薄膜:
0.01mm程度の厚さを有する薄い膜のこと。
※4 メッキ:
液中で材料の表面に金属を析出させる、表面処理法のひとつ。
※5 フォトリソグラフィ:
光に反応する化学物質を用い、任意のパターンを得る方法。半導体や液晶パネルなどの作製に用いられている。
■株式会社テクノロジー・イノベーションについて
テクノロジー・イノベーションは2014年にセンサデバイスおよびMEMS製品の設計・開発・製造および販売を行うために、半導体をコアにシステム提案、設計開発サービスを提供する株式会社PALTEKのグループ会社として設立されました。センサの活用分野において、有機的にさまざまな技術を連鎖させ情報分析を行い、お客先様のご要望に沿った最適なソリューションを提供しておリます。
テクノロジー・イノベーションに関する詳細は、 http://tech-innovation.co.jp/ をご覧ください。
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