医薬品や機能性食品などの研究開発を支援 ペプチドの開発・製造受託サービスを開始
@Press / 2019年9月26日 17時0分
富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、医薬品や機能性食品、化粧品などに応用されているペプチドの開発・製造受託サービスを、2019年10月1日より開始します。本サービスは、富士フイルムが独自に確立した製造手法を用いて、ペプチドの生産プロセス開発から製造までを受託するサービスで、今後需要が高まるペプチドの高機能化や高純度化に対応します。
◆詳細はWebページをご覧ください。
⇒ https://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_1471.html?link=atp
ペプチドは、アミノ酸が2~50個程度結合した、タンパク質の断片で、医薬品や機能性食品、化粧品などに使用されています。ペプチドは、一般的に生体内に存在する20種類のアミノ酸(天然アミノ酸)を組み合わせて合成されますが、複雑な構造を持ったペプチドの合成は困難であり、またペプチドの純度を高めるための合成後の精製工程に大きな作業負荷が発生する、という課題があります。さらに最近では、生体との相互作用を活用したバイオマテリアル(生体材料)などの先端研究で、非天然アミノ酸を結合させ新たな機能を付与したペプチドを応用する取り組みが増えており、ペプチド合成の難易度がますます高まる傾向にあります。
富士フイルムは、幅広い製品開発で培った、高度な化学合成力や解析技術、生産技術などを活用して、少量多品種生産に最適な固相合成法(*1)による製造手法を確立し、グループ会社の試薬製品に応用してきました。さらに、大量生産に適した液相合成法(*2)に精緻な反応制御のための独自材料を組み合わせた新たな製造手法を開発。高純度のペプチドを得られる合成工程を実現し、精製工程の大幅な短縮を可能にしました。新手法を用いて、合成が難しい高機能ペプチドや高純度ペプチドを生産できることを確認。直鎖ペプチド(*3)では98%以上、合成過程で用いる酸に対して分解しやすい特殊環状ペプチド(*4)でも90%以上の高純度の生産を、精製作業を行うことなく実現しています。
今回、固相合成法・液相合成法による製造手法を用いて、ペプチドの合成・精製などの生産プロセス開発から製造までを受託するサービスを、富士フイルム和光純薬株式会社を通じて開始します。合成が困難な高機能ペプチドや高純度ペプチドなどをスピーディーに提供できる強みを活かして、幅広い顧客ニーズに応えていきます。今後、ペプチドを用いた医薬品候補化合物の臨床応用ニーズに対応するためにGMP(*5)製造設備の整備も検討し、さらなるサービス拡大を図っていきます。
富士フイルムは、先進・独自の技術により画期的な高機能材料を開発・提供することで、新分野の研究開発の促進、高付加価値製品の創出などに貢献していきます。
*1 アミノ酸を不溶性樹脂に順次結合させていく合成法。
*2 溶媒にアミノ酸を溶かして反応させる合成法。
*3 アミノ酸を直列に配列したペプチド。
*4 非天然アミノ酸を含み、かつ環状骨格を有しているペプチド。
*5 Good Manufacturing Practice。品質の良い医薬品、医療用具などを供給するための製造管理および品質管理を定めたもの。
富士フイルムニュースリリース一覧
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