京都精華大学がデザイン学部に「イラスト学科」を開設―荒井良二、山本容子、スージー甘金氏ら著名クリエーターが教員に―

@Press / 2012年5月22日 16時0分

荒井 良二氏 作品(セルフポートレート)
京都精華大学(所在地:京都市左京区、学長:坪内 成晃)は、2013年4月、デザイン学部に「イラスト学科」を開設します。現ビジュアルデザイン学科イラストレーションコースを2倍の規模に拡張し、収容定員64名の「イラスト学科」として、さらに広範囲に、より専門領域に特化した教育を目指します。
文部科学省への届出を4月に済ませましたので、就任予定教員、カリキュラムなどについてお知らせいたします

■イラスト学科(定員64名)

1.開設の背景
「イラスト」ということばは本来、ビジュアルデザイン領域で使われる「イラストレーション」の略語ですが、今やその概念を超えて多様化し、広く浸透して、単純に「絵を描く」ことを「イラストを描く」と表現することもしばしばです。
一方で、ソーシャルメディア、書籍の電子化を含めたデジタル技術のめまぐるしい更新は、我々に双方向性、共時性がますます加速した高度で高密度なコミュニケーションを次々と提供しつづけ、デザインのフィールドは劇的な変革の時を迎えています。
広告や出版、印刷といった旧来のデザイン関連業界は、その業態やシステムの刷新を余儀なくされる一方、その変化は「イラスト」を含めたビジュアルコミュニケーションの拡張を意味し、新たな可能性を追求する好機であるとも言えます。
イラスト投稿サイトをはじめとして、誰もが「イラスト」を描き、誰もが社会に向けて発信できる時代を迎え、美術系大学を目指す受験生も、その多くが「イラスト」を志向しています。この時代の要請、すなわちコミック系から現代美術まで、「イラスト」が指す領域の拡がりに対応した方向性の多角化を目指して、2013年度より、従来のイラストレーションコースをさらに充実・発展させ、新たに「イラスト学科」を開設します。


2.学科概要
「イラスト」の本質は、「描く」ことと、「伝える」ことに集約されます。他者を意識し、何かを「伝える」ために、人は「描く」。つまり、伝えたいこと、伝えなければならないことを、何らかのメディアにのせてコミュニケーションをはかるための表現が「イラスト」なのです。
「イラスト」の表現はデータ化され、複製され、メディアにのって社会に発信され、拡がっていきます。ゆえに「イラスト」は、広告、ポスター、書籍、絵本、テレビ、ウェブ、ケータイ、ゲーム、現代美術など、あらゆるメディアや表現ジャンルを横断し、様々な展開を可能にします。

従って、イラスト学科のカリキュラムは、「描く」ことと「伝える」ことをベースにして、多様なメディアでの展開を前提に設定され、活躍のフィールドを問わず、広く社会に向けて自分自身をプレゼンテーションできるクリエーター、ひいては国際的に活躍する人材の育成を目指します。


3.カリキュラム
1・2年次は手で「描く」ことを中心とする共通の基本科目で基本的な画力、構成力、想像力を身につけ、感受性やセンスをみがきます。また、日本画やテンペラなどの伝統的な技法から、版画や写真、コンピュータの基本的なスキルまで、表現の可能性について広範囲に体得します。

3年次からは各自の将来を現実的に視野にいれて「イラスト&ブックス」と「アート&デザイン」の2つのクラスに分かれ、「伝える」ことを主眼においた専門科目で、作品をメディア化し、社会に発信していきます。また、希望進路や志向性に合わせてカリキュラムをアレンジできるように、多彩な学科共通選択科目も用意されています。


●イラスト&ブックス クラス
手で「描く」ことをベースにした表現を追求して、独自のスタイルや個性を確立していく。何を、誰に、どのように「伝える」のかということを探りながら、各々の表現やイメージの世界を深めていく「イラストレーション」と、設定からストーリー展開まで、絵本の制作を実践的に学ぶ「絵本」の2つの科目が中心。その中で印刷媒体からデジタルまで、様々なメディアでのイラストを介したコミュニケーションのあり方を模索し、プロのイラストレーターや絵本作家の他、コミック作家、キャラクターデザイナーなどを目指す。


●アート&デザイン クラス
手で「描く」ことから展開して、写真やコラージュ、デジタル加工なども駆使し、先端的な表現の可能性を追求する「ビジュアルアート」。そして手で「描く」ことを通して身につけたオーガニックな感覚のビジュアルや構成力を発揮して、広告やグラフィックデザイン、グッズデザインなど、メディアを介してメッセージを伝えることを実践的に学ぶ「ビジュアルデザイン」。この2つの科目を中心に、メディアの特性とコミュニケーションのあり方を理解し、アートとデザインのフィールドを横断して活躍するビジュアルアーティストやデザイナーを目指す。


4.想定される進路
各々が身につけた専門性やスキルを自身の拠り所として、デザインや広告の世界から、絵本、コミック、ビジュアルアートまで、表現のフィールドやメディアを限定せず、活躍できる人材を育成します。

[想定される職業]
イラストレーター、絵本作家、ビジュアルアーティスト、現代美術作家、グラフィックデザイナー、エディトリアルデザイナー、広告デザイナー、アートディレクター、写真家、キャラクターデザイナー、ゲームクリエイター、コミック作家、映像作家など


5.就任予定教員
職位:客員教授
氏名:荒井 良二(あらい りょうじ)
経歴:絵本作家
鮮やかな色彩、ポップなキャラクター、ポジティブでユーモラスなストーリーの作風で、これまでに発表された絵本は100冊以上におよぶ。国内外で数々の賞を受賞。ライブペインティングやワークショップなどにも精力的に取り組み、近年の作品は軽やかさ、音楽的な言葉、現代美術にも通ずるアート感覚など、そのボーダーレスな特徴が際立っており、日本を代表する絵本作家でありながらも、絵本という枠に収まりきらない唯一無二の存在として国内外で活躍中。

職位:客員教授
氏名:山本 容子(やまもと ようこ)
経歴:銅版画家
都会的で軽快洒脱な色彩で、独自の銅版画の世界を確立。数多くの書籍の装幀、挿画なども手がける。近年では、モザイク壁画やステンドグラスを制作し、幅広い分野で精力的に創作活動を展開。2006年からデザイン学部ビジュアルデザイン学科客員教授。

職位:教授
氏名:小野 明(おの あきら)
経歴:絵本プロデューサー、編集者
約400冊以上におよぶ多くの絵本、児童書の企画・編集、エディトリアルデザインを手掛ける。五味太郎氏との共著も出版。その他にもプロの絵本作家を養成する「あとさき塾」「絵本塾」などを共同主宰。

職位:教授
氏名:スージー 甘金(すーじー あまかね)
経歴:イラストレーター
元祖マンガイラストレーター。コミック画家。80年代から現在に至るまで第一線で活躍するイラストレーター。著作は「キャラクターハンドブック」「ワンガンドッグ」など。またコミック画家として美術館・ギャラリーにて展覧会活動も行う。

職位:教授
氏名:角田 純(つのだ じゅん)
経歴:グラフィックデザイナー、アートディレクター、美術作家
広告、出版業界にて多数のデザイン、アートディレクションを手掛ける。2000年ごろからは、絵画やコラージュ、シルクスクリーンなどの作品発表や画集の出版など、美術作家としての活動にも精力的に取り組む。

職位:教授
氏名:川添 貴(かわぞえ たかし)
経歴:グラフィックデザイナー、アートディレクター
清水正巳デザイン事務所にてパルコ・ビブレ・日産等、数々のキャンペーン広告、『Cut』『Esquire』等のエディトリアルデザインに携わる。2000年、単身渡米。ニューヨークに滞在し、Littlefield&Companyにてウェブ・サイトやCDジャケットのデザインに携わる。帰国後、六本木ヒルズ・Yahoo!BB等のアートディレクションを手掛ける。現・ビジュアルデザイン学科イラストレーションコース教員。

職位:准教授
氏名:大高 郁子(おおたか いくこ)
経歴:イラストレーター
1988ADC年鑑入選。主な仕事に吉田武『はじめまして数学』(幻冬舎)、加藤由子『きょうも猫日和 猫のいる歳時記』(実業之日本社)、的川泰宣『宇宙のひみつがわかるえほん』(ポプラ社)、長沼毅『14歳の生命論』(技術評論社)など。現・ビジュアルデザイン学科イラストレーションコース教員。

職位:准教授
氏名:北村 ケンジ(きたむら けんじ)
経歴:イラストレーター
デザイン制作会社を経てフリーイラストレーター。主な仕事は、書籍や雑誌などの出版物、絵本、広告等。受賞歴、「ザ・チョイス」「HB FILE コンペ」など。現・ビジュアルデザイン学科イラストレーションコース教員。

職位:准教授
氏名:中村 光宏(なかむら みつひろ)
経歴:グラフィックデザイナー。
レオ・バーネット協同株式会社(現・ビーコンコミュニケーションズ)、株式会社イマ(現・アマナ)を経て、1995年、N.D.O.を設立、現在に至る。シュウウエムラ化粧品、NHK交響楽団のアートディレクションから書籍・CDジャケットのグラフィックデザインなどを手掛ける。現・ビジュアルデザイン学科イラストレーションコース教員。

職位:講師
氏名:岸本 敬子(きしもと けいこ)
経歴:グラフィックデザイナー
デザイン企画制作会社にてデザイナーとして活躍。NTTドコモ、マツダ株式会社などの大手企業をクライアントとし、広告デザインを手掛ける。

職位:講師
氏名:ケッソク ヒデキ
経歴:グラフィックデザイナー、イラストレーター
恩田陸や宮部みゆきの著作など、多数の装幀イラストレーションを手掛ける。そのほか、JR東日本やJ-WAVEなどの広告イラストレーションも手掛ける。

職位:講師
氏名:山口 義順(やまぐち よしかず)
経歴:美術作家
グループ展、個展において、主に写真を用いたインスタレーション作品の発表を精力的に行う。また公開講座や展覧会関係企画のワークショップなどでの講師としても活動。

6.京都精華大学について
1968年に「自由自治」を教育理念とし、短期大学として開学。1979年に4年制大学として美術学部を開設、2006年には日本で初めてマンガ学部を設立するなど、『表現の大学』として先進的に歩んできました。現在は、芸術学部、デザイン学部、マンガ学部、人文学部の4学部、芸術研究科、デザイン研究科、マンガ研究科、人文学研究科の4研究科のあわせて約4千人の学生が、自由で自然豊かな環境のなか、世界に向けて発信する『表現』を追求しています。2013年には、ポピュラーカルチャー学部を開設予定。5学部体制となり、さらに次代の文化と芸術を創造する人材育成を目指します。

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