神奈川歯科大学大学院歯学研究科に災害医療歯科学講座を新設 ― 災害時の対応に優れた歯科医療従事者を養成する ―

@Press / 2012年5月15日 9時30分

 神奈川歯科大学大学院歯学研究科(研究科長:李 昌一教授)は、災害時の歯科医療のあり方を総合的に研究すること及び災害時に高い実践能力を備えた歯科医療従事者の養成を目指すため、平成24年度に本邦初の災害医療歯科学講座を新設しました。


■講座新設の背景
 東日本大震災において、歯科医師が様々な現場で貢献していたことは余り知られていません。特に、災害直後は歯が身元確認に大きく貢献しました。また、義歯を紛失された方が非常に多く、食事に困難をきたす状況の改善に貢献しました。これら歯科医師の活動は充分準備されたものではなく、場当たり的に行われたのが実情で、災害時の歯科医療のあり方を総合的に研究することは緊急かつ重要な課題となっています。

 神奈川歯科大学(理事長:鹿島 勇、学長:佐藤 貞雄)でも附属病院(院長:小林 優)による被災地への支援や歯学部法医歯科学講座(山田 良広教授)では身元鑑定で多大な貢献をしてきました。また、震災後には横須賀市と防災協定を結ぶなど、災害に対して大学としての役割を積極的に果たしてきました。特に、神奈川歯科大学の所在する横須賀市は、活断層の集中地帯であり、東日本大震災の影響により地震発生の確率が大きく高まっていると報告されています。

 そこで、神奈川歯科大学大学院歯学研究科は、災害医療歯科学講座を新設することとなりました。


■災害医療歯科学講座について
 災害医療歯科学講座は、大学院歯学研究科の取り組みとして研究教育を行う方針であり、オープン講座制をとり大学院教授の多くが併任します。また、主任教授としてDNA鑑定で知名度の高い山田 良広教授が就任しました。大学院生の募集開始は、平成25年度春季を予定しており、教育面では、歯科大学では珍しいAutopsy Imaging(AI)センター(高橋 常男教授)を生かしユニークな教育プログラムを検討中です。また高度診療協力専門職養成コースにおいて、歯科医師以外の医療従事者にも門戸を開いており、広く人材を求めています。

 さらにこれまで、災害と歯科を関連させた研究は非常に立ち遅れており、世界的にみても災害歯科医療について系統だった研究は行われていません。しかし、本学は文部科学省私立大学戦略的基盤整備支援事業に「横須賀・湘南地域における大規模災害時の歯科医療実践モデルの創出と人材育成拠点の形成」を提案し、本年4月に採択されました。また、災害医療歯科学講座を母体として、この事業の中心的役割を果たす横須賀・湘南地域災害医療歯科学研究センター(センター長:平田 幸夫教授)の設立を7月に予定しています。


 以上を踏まえ神奈川歯科大学大学院では、横須賀・三浦半島地域を拠点として、学術的には世界に先駆けた災害歯科医療研究の構築と同時に歯科医療の面から災害に強い地域作りに貢献することを目指しています。


■学校の概要
 神奈川歯科大学(かながわしかだいがく、英語:Kanagawa Dental College)は、1964年に設置され、神奈川県横須賀市稲岡町82に本部を置いています。欧米諸国の歯科事情を視察した大久保 潜龍が女子の歯科医学教育機関の必要性を考慮し、1910年日本で初めて婦人歯科医師を養成するために設立した東京女子歯科医学校が前身です。
 「歯科医師としての熟練と人間としての優しさを身につけるために、学をまなび、技を習い、人を識る愛の教育」という教育理念に基づき、共用試験・卒後臨床研修さらには21世紀の医療人育成のための教育改革などについても柔軟に対応できることを考慮したカリキュラムを導入しています。

ホームページ: http://www.kdcnet.ac.jp/

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