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欧米諸国の調査とリンクした、難聴・補聴器に関する日本初の大規模なアンケート調査「JapanTrak2012」結果発表

@Press / 2012年12月14日 13時30分

難聴者率
一般社団法人 日本補聴器工業会(以下、日本補聴器工業会)と、公益財団法人 テクノエイド協会(以下、テクノエイド協会)は、EHIMA(欧州補聴器工業会)の協力を得て、日本において一般の人々が聞こえの不自由さ(難聴)や補聴器についてどのように思われているか、補聴器の使用状況はどのようになっているかなどについて、補聴器先進国である欧米諸国の調査「EuroTrak*1」等とリンクし、15,036人を対象とした日本初の大規模アンケート調査「JapanTrak2012」を実施いたしました。

その結果、難聴者比率は10.9%(国内推計約1,390万人*2)と欧米諸国(ドイツ12.5%、イギリス9.1%、フランス9.4%、アメリカ11.3%*3)と近似しているが、難聴者の補聴器使用率は14.1%(国内推計約200万人*2)と、欧米諸国(ドイツ34.0%、イギリス41.1%、フランス30.4%、アメリカ24.6%*3)と比較して低く、補聴器普及の余地が十分にあることが明らかになりました。

また、補聴器を所有している有職者に対する質問では、88.0%が「仕事の上で補聴器が役立っている」と回答し、補聴器非所有の難聴者と比べて「出世・適切な仕事・高い報酬を得るためにも、補聴器が役立つ」と考えていることがわかりました。また、うつ病や認知症へのリスク低減についても、補聴器所有と非所有の難聴者の間で明確な差が見られました。以上のことから、補聴器使用が難聴者のQOL改善に役立っていることが示唆されました。

しかし、補聴器所有者全体の補聴器への満足度は36%と、ドイツ(80%)、フランス(76%)、イギリス(72%)と比較して半分以下の低い数字になりました。補聴器は、一人一人の聞こえの状況に合わせた適切なフィッティングを受けて使用することが必要ですが、欧米諸国では多くの場合、医療機関と公的資格を持った販売従事者が連携して難聴者に合った補聴器を勧めているのに対し、日本では難聴で耳鼻科医師へ相談する人が40%と少なく、また補聴器に対する知識が豊富な「認定補聴器技能者」*4が在籍している販売店が少なく、認知度も低いため、難聴者が自分に合った補聴器を購入できていないことが、満足度が低い主な要因になっている、と考えられます。

そのほか、補聴器非所有の難聴者への「購入に際して何らかの公的補助を受けられることを知っていますか?」との質問に対して、「はい」と答えた人は僅か6.3%しかおらず、公的補助についての認知不足も、補聴器を使用するうえでひとつの障害になっている可能性が示唆されました。
日本補聴器工業会及びテクノエイド協会では、これらのアンケート調査結果を受け、高齢化社会の中で今後増えていくことが予測される加齢性難聴者が、補聴器先進国である欧米並みに、自分にあった補聴器を気兼ねなく使え、充実した日常生活を送れるための環境づくりや、啓発活動に積極的に取り組んでまいります。

【JapanTrak2012の目的】
日本における聞こえと補聴器を取り巻く諸問題を抽出し、欧米諸国の同様のデータとの比較も行いつつ、全難聴者のQOLの向上に寄与できる対策を見出すこと。

【調査概要】
調査名  :JapanTrak(ジャパントラック)2012
調査主体 :一般社団法人 日本補聴器工業会 http://www.hochouki.com/
      公益財団法人 テクノエイド協会 http://www.techno-aids.or.jp/
調査実施 :アノバム社(スイス国チューリッヒ市)
調査期間 :2012年4月4日~27日
調査対象 :日本国内に在住する方
選別調査 : 15,036人
対象者調査: 補聴器使用者450人、補聴器非所有難聴者898人
      ※全人口を反映する厳格な割り当てサンプルの抽出
       (年齢・性別・地域等)
調査方法 :アンケート調査(記入式)
      ※選別調査で難聴者率と補聴器使用率を調査し、
       対象者調査で詳細な調査を実施
調査協力 :EHIMA(欧州補聴器工業会) http://www.ehima.com/ehima2/


※本文注釈
*1 「EuroTrak」は、2009年にEHIMA(欧州補聴器工業会)がドイツ・フランス・イギリスの3カ国で初めて実施した、難聴・補聴器に関わる大規模調査。本文中の各国の数字は、2012年に上記3カ国に加え、スイス・ノルウェー・イタリアを加えた6カ国で実施した「EuroTrak2012」より抜粋。
「JapanTrak2012」は、「EuroTrak2012」と同じアノバム社(スイス)が調査設計・実施を行っているため、調査結果の比較検討が可能となっている。
*2 難聴者及び補聴器使用者の国内推計人数は、総務省統計局発表の2012年10月1日現在の総人口(概算値)1億2,753万人に、今回のアンケート結果の率を乗じて10万人単位で四捨五入したもの。
*3 アメリカのデータは、1985年より3年おきに実施し、「EuroTrak」のモデルにもなっている、「Marke Trak VIII 2008」より抜粋。
*4 日本の認定補聴器技能者は約2,000名。約7,000店舗ある補聴器販売店のうち、認定補聴器技能者を配置している店舗は約15%。


【調査結果】
1.難聴者率(難聴またはおそらく難聴だと思っている人の割合)
2.難聴者率の各国比較
http://www.atpress.ne.jp/releases/32264/a_1.jpg
出典:ドイツ・イギリス・フランス(EuroTrak 2012)、アメリカ(Marke Trak VIII 2008)

3.補聴器使用率(自己申告難聴者のうち、補聴器を使用している人の割合)
4.補聴器使用率の各国比較
http://www.atpress.ne.jp/releases/32264/b_2.jpg
出典:ドイツ・イギリス・フランス(EuroTrak 2012)、アメリカ(Marke Trak VIII 2008)

5.仕事上で、補聴器は役立っていますか?
6.仕事での優位性 (補聴器所有者と非所有難聴者の意識比較)
http://www.atpress.ne.jp/releases/32264/c_3.jpg

7.補聴器所有者・非所有難聴者の「うつ病へのリスク度」の比較
日本の補聴器所有者n=326 補聴器非所有難聴者n=123
http://www.atpress.ne.jp/releases/32264/d_4.jpg
出典:ドイツ・イギリス・フランス(EuroTrak2012)
※うつ病へのリスクは、過去2週間以内に「興味がなくなった」「楽しくなくなった」「気分が落ち込んだ」「憂鬱になった」「絶望的な気持ちになった」かどうか、質問の回答より判定。
また、補聴器所有者に近い条件で比較するため、非所有者は難聴度が高い上位50%層を基数としている。

@Pressリリース詳細ページ
提供元:@Press

【関連画像】

補聴器使用率仕事と補聴器うつ病と認知症

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